Tweet 癌細胞とは、正常細胞の突然変異によって起こるものです。 胃がんの場合、突然変異を起こした細胞年齢によって、未分化型と分化型に分けることが出来ます。   その二つを僕の視点で簡単にまとめてみたいと思います。 (感覚が異なる場合は逆にわからなくなるかもしれませんが、よろしくお願いします。)   未分化型 未分化型とは、細胞年齢が若く、未成熟な細胞が癌細胞になってしまったものです。 子供が元気に溢れ、気がついたら成長していたなんてことを思うのと同じように、未分化型の癌細胞は、周囲の細胞を壊しながら急激に進行するのが特徴です。(びまん浸潤) 気がついたら胃全体や他の臓器にまで転移して末期がんだった・・・なんてことも考えられるのです。 悪性度の高い癌です。   分化型 一方、分化型は、成熟した大人な細胞が癌細胞になってしまったものです。 体における成長の余地が大人になるほど、少なくゆっくりになるように、分化型の癌細胞も未分化型に比べゆっくりと成長します。   また、動き回る力にも乏しいため、限局的に成長することが多いと言われており、胃全体に広がることは少ないといえます。 未分化型に比べ、悪性度の低い癌です!! それでも、治療は必要ですが・・・。。   と、いうことは・・・ ここで考えてみてください。   若い細胞がガン化すると悪性度の強い未分化型になり、成熟した細胞がガン化すると悪性度の低い分化型になるということは・・・です。   高齢者に若い細胞が多くあると思いますか? 若い細胞が多くあるのって、年齢が若い人ってことになりますよね?!   ということは、若くして胃がんにかかるほうが、悪性度が強く、進行の早い未分化型の胃がんの確率が高く、 逆に、高齢になるほど、悪性度が低く、進行の遅い分化型の胃がんの可能性が高いことになります。   未分化型は分化型に比べて、10倍前後早いと言われるほどなので、胃がんのリスクが高くなり始める若い40代は定期的な検診を受けることを、それ以下の年齢の方では、「食事量が減る」、「食欲不振」、「吐き気」、「血便・黒色便」、「体重減少」など異常が見られたら、病院にかかることをお勧めします。 若い世代ほど、胃がんが進行し、手遅れになりやすいのです!!   ちなみに・・・ 未分化型は女性に多く、分化型は男性に多いと言われています。 そして、有名なスキルス胃がんは未分化型であり、若くして胃がんで亡くなる方の多くはこの癌だったそうです。   表にまとめると   未分化型癌 分化型癌 悪性度 高い 未分化型より低い 進展形式 びまん性 限局性 転移形式 リンパ行性 血行性 年齢 若年者に多い 高齢者に多い…

病院の画像検査で使う造影剤は、病気の発見だけでなくどんな病気なのか確定するため、病気の状態の把握を容易にするために使われます。   X線CTやMRIでは、静脈に注射して使い、血管造影検査ではカテーテルという細い管を使って、目的の血管に直接注入します。   また、バリウム検査で知られるように飲んで使う造影剤や大腸検査のようにおしりから注入して使うものもあります。 これらに使われる造影剤を簡単にまとめてみました。 スポンサーリンク 硫酸バリウム 食道や胃、小腸、大腸の検査時に使われる造影剤です。   食道や胃、小腸では飲んでもらうことで体内に投与し、大腸では、肛門にチューブを入れてバリウムを注入します。   バリウムは消化管の壁に付着し、消化管全体の形態や機能を評価することが出来ます。   血管内に投与しないことと、基本的に体内に吸収されないため副作用はほぼありません。   ただ、誤嚥すると肺炎の原因になったり、消化管穿孔の場合には腹膜炎を起こす恐れがあります。 また、便となって排泄されますが、消化管の動きが低下している場合や狭窄がある場合にも腸閉塞の原因になるため、注意が必要です。   腸閉塞や消化管穿孔が疑われる場合には、使うことができない造影剤です。 スポンサーリンク ヨード造影剤 X線CT、血管造影検査(アンギオグラフィー)、X線TV撮影検査で使われる造影剤です。   イオン性と非イオン性で用途が違いますが、   ・イオン性⇒血管外(膀胱や肝菅、胆管、関節腔など) ・非イオン性⇒血管内、脊髄腔 に使われるの一般的です。   非イオン性のほうが安全性が高い薬剤ですが、高価な薬剤になります。 非イオン性を血管内に投与したとの副作用は全体で3.13%、そのうち重篤なものは0.04~0.004%とされています。   意外と起こるかもと思うかもしれませんが、イオン性を投与していた時代は、もっと高確率で副作用が起こっていたようです。   起こる副作用の種類としては嘔気、嘔吐、かゆみ、蕁麻疹、血圧低下などのすぐに回復できる軽度のものが多いですが、重篤になると心停止、呼吸困難になることもあります。   ヨード造影剤は体内に吸収され、尿となって排泄されます。体内に吸収されるため、消化管穿孔の疑われ、バリウムが使えない方でも消化管の検査を行うことが出来ますが、一方で、血管内に投与するときには、腎臓の機能が悪い方には使用不可です。   腎機能が悪い方に投与すると、造影剤腎症という障害を起こすことになります。 ヨードアレルギーや喘息、腎機能障害の場合には、使用することが出来ませんので注意が必要です。 MRI造影剤 MRI検査で使われる造影剤は、静脈に投与するものか経口摂取するものの2種類あります。   ●静脈性投与 ・ガドリニウム(Gd)造影剤 投与後、血流に乗って目的臓器に到達後、臓器内での血管や細胞外液における存在量の違いによって正常と病気の違いを画像上に表示してきた。 Gd造影剤は、緩和時間を短縮することにより、プロトンから放出される信号強度を高める効果がある。実際の画像では、T1強調画像にて使われる。 副作用の発生はヨード造影剤に比べて低いが、蕁麻疹、頭痛、悪心・嘔吐などの副作用は存在し、また重篤なものも報告されています。   ・SPIO 正常な肝細胞にはクッパー細胞というのがあるが、癌化した細胞にはクッパー細胞がない。SPIOは正常な肝細胞のクッパー細胞に取り込まれる性質を持っており、正常な細胞と癌化した細胞の間に画像上でコントラストが生まれて診断が可能になる。 比較的副作用は少ないですが、悪心・嘔吐、頭痛などの他に、静脈注射中に腰痛を感じることがあります。この腰痛は注射を中止すれば速やかに消失します。   ・EOB・プリモビスト…

MRIでは、スキャンのシーケンスが沢山あり、高速撮影もすることができます。が、それ以外に撮影時間は何に影響されているのでしょうか? スポンサーリンク 撮影時間の計算 普通のパルス系列で撮影する場合には、撮影時間は簡単に計算することができます。   なぜなら、求める式が存在しているからです。   では、その式とは・・・   撮影時間=TR×n×Nex   この式の意味を順に見ていきたいと思います。 スポンサーリンク Nexとは? 励起する回数、つまり信号を受け取る回数のことです。   MRIでは、画像を作るために組織からの信号を受け取るわけですが、1回だけよりも2回、3回と複数回信号を受け取り、足し合わせて、平均化したほうがより良い画像を得ることができます。   実際に、そうすることで、信号ノイズ比(S/N)の良好な画像、つまり、ざらざらが少ない見やすい画像を得られるのです。   ただ、上の式を見てもわかるように、良い画像を得るために、信号を測定する回数を増やすごとに撮影時間は長くなるので注意が必要です。   このことを例えるならば、ざわざわと騒がしい中に座っているようなものです。   そして、隣りに座っている人が、何かあなたの耳元でささやいていますが、周りの雑音が大きすぎて、何を言っているのか理解することができません。   そんな場合、あなたは聞き取れるまで何度も繰り返して言ってもらうことになってしまうと思います。 そして、頭の中で、そのたびに聞き取れた言葉をつなぎ合わせて、相手が何を言っているのか理解しようするでしょう。   この時の相手の言葉はMRIでの信号と同じです。   何度も足し合わせることで、相手の言っている全体のことがわかるようになっていくのです。   一方、周りの雑音は、いつも同じことを繰り返して言っているわけではありません。むしろ、バラバラで、足し合わせても、意味が繋がらないことも多いでしょう。   となると、本当に聞きたいことは聞けて、雑音はそのままだということは、本当に得たいことを信号を得て、ノイズの量が変わらないということと同じになるのです。結果として、信号ノイズ比は大きくなります。 nとは? 上の式でいう、nとは、マトリックスの列の数を表しています。   テレビやデジカメなど画像は画素からできており、それが集まってイメージマトリックスを構成しています。   例えば、256×256のマトリックスは256の画素が256列あることを示しているのです。   そして、デジカメなども画素数が多いから、撮れる画像も綺麗なんだと宣伝されているようにMRIでも画素が多いほど、綺麗で詳細な画像を得ることが出来ます。ただ、MRIでは、画素数を増やすほど、撮影時間が延びてしまうのです。 TRが撮影時間に与える影響とは? TRとは90°パルスから90°パルスまでの時間、RFパルスを繰り返して送る時間のことです。   つまり、長いTRが必要な撮像法ほど、次のTRを送るまで待つ時間が長くなり、結果として撮影時間の延長に繋がってしまうのです。   しかし、撮影時間を短くする方法もあります。   マルチスライス撮影法と呼ばれる方法です。   マルチスライス撮影法とは、一枚の断面を撮影しようとMR信号を得るためのシーケンスを繰り返すのを待っている間に、他のスライスも撮影してしまおうというものです。通常、MRIでは一枚の断面ごとにしか撮影できません。  …

放射線治療では、日々照射を行うにあたり、計画された照射が行われているのかが重要となります。   計画された照射が行われていないということは、事前の治療計画に逆らうも同然であり、その場合の治療効果や正常組織の障害・副作用に大きな影響を及ぼすことになります。そこで、実際の照射が治療計画通り行われているのかどうか確認を行うために治療装置を用いてX線画像を撮影を行うのです。   それがLGです。   今回はそのLGについてまとめてみたいと思います。 スポンサーリンク LGとは? LG:linac graphy(リニアックグラム)とは、実際に治療する装置(治療ビーム)を用いて、撮影されたX線画像のことです。   場合によっては、port film(ポートフィルム)、portal graphy(ポータルグラフィ)と呼ばれることもありますが、LG(リニアックグラムまたはリニアックグラフィ)と呼ばれることが一般的です。   このX線画像が撮影される目的は、治療計画通り照射が行われているのかを確認することです。   どうやって行うかはとても単純であり、撮影された画像と治療計画時に撮影された位置決め写真(DRR)とを比較することで行われます。そして、比べた時に画像の照射野の位置にズレがなければ、計画通り照射が行われていることになります。 出典:home.hiroshima-u.ac.jp-   スポンサーリンク いつ撮影するの? では、どういったタイミングでLGは撮影されうのでしょうか?   これには、主に3つのタイミングが存在します。 ・3つのタイミング ➀治療開始時 LGは治療照射が行われる度に撮影されるわけではありません。 そのため、『最初が肝心』と言われるように、最初から間違った照射が行われると次回に確認を行うまで間違ったままの照射が行われることになってしまいます。   ➁照射範囲の等変更時 治療の進み方によっては、照射野が変更される場合があり、その場合もLG撮影のタイミングになります。   ➂定期的に 行う周期は施設間でもバラつきがあるようですが、照射野の確認を定期的に行い、照射精度の確認を行う必要があります。(1週間で1回行うところもあるようです。)   または、患者さんの状態の変化(体重の減少、病巣の変化など)や照射を行う放射線技師による要因(患者設定手順の変更、担当者変更など)も考慮されることがあるようです。なので、放射線治療に携わる技師は、頻繁に変わることがないように配慮されていることもあると聞くこともあります。   撮影方法とは? 一般的には、2重曝射という、その名の通り2回曝射を行う撮影法です。   2回の曝射の違いは照射野です。   照射野に絞りを入れた曝射と照射野を全開した状態での曝射を行うことで、照射野内と照射野周辺部位に黒化度の差ができ、治療時の照射野を画像上に再現されます。   治療装置を用いた撮影ではありますが、治療時ビームとは異なる点があります。   それは、被ばく線量です。   LG撮影に使用される線量は、数cGy程度であり、一回の治療に照射される放射線量に比べ低い数値です。それでも、通常のレントゲン撮影に比べ、線量は少ないとは言えません。   これは、装置が治療用の装置であるためであり、低出力の撮影には向かないためです。それでも、LGは治療時の照射野を撮影時にも再現できるため、どうしても必要な撮影といえます。 LGの撮影システムとは? 撮影システムには、3種類あります。といっても、フィルム側が時代とともに変化しているといってもいいかもしれません。…

核医学検査では、ガンマカメラを使用されるため、装置がきちんと検査が行える状態であるのか、また、どの程度の精度をもつかなど知る必要があります。   そして、その評価を行うのが装置の性能評価法となるのです。   ただ、ガンマカメラの性能評価項目はとても多いため、一度にまとめきれる気がしないので、まずは、固有と総合では何が違うのかまとめてみたいと思います。 スポンサーリンク ガンマカメラと性能評価の必要性とは? そもそもガンマカメラを一言で表すならば、シンチレータと光電子増倍管の塊です。   核医学検査では、被験者体内に放射性同位元素を投与し、その放射線同位元素は体内からγ線を発し、それをガンマカメラで検出することで画像化しています。   ただ、ガンマカメラの場合、直接型のFPDのように検出されたγ線から直接的に画像化するということは行いません。   画像化までには、γ線をシンチレータで光に変換し、その光を光電子増倍管で電子に変化し、それを増幅させてから出力し、それを様々な回路や機構といったところで洗練し画像化しています。そのため、ガンマカメラとは、シンチレータでガンマ線を光に変換できなれば、画像化することもできないことになり、シンチレータはとても重要な要因であるといえます。   しかし、シンチレータとは、使用し続ければ必ず劣化し、ガンマ線を検出する能力を表す感度が低下してしまうのです。   そこで、使用しているガンマカメラがきちんと検査を行えるだけの性能を有しているのか、劣化が起こっているのであればどの程度であり、シンチレータの取り換えが必要になるのかなど日々、確認する必要がでてくるのです。   その確認作業が性能評価です。   もちろん性能評価とは、装置の性能がどの程度あるのか装置毎の違いがあるのかを確認すると言う意味で使用されることもありますが、装置性能が担保されているのか評価すると言う意味でも重要な項目であるという認識が必要となっているのです。   そして、性能評価は、固有と総合と分けて評価する必要があるとされているのです。   では、固有と総合では何が違うのかいかにまとめていきたいと思います。 スポンサーリンク 固有性能評価と総合性能評価の違いとは? ガンマカメラの性能評価には、大きくわけて固有と総合の2種類があります。   では、その2つの違いとはなにか。   実は、この2つの違いはとても単純なんです。   その違いとは、ガンマカメにコリメータに装着しているのかどうかです。   つまり、ガンマカメラだけの純粋な性能を評価したものを固有の性能評価といい、ガンマカメラにコリメータを装着し検査に使用する際の評価を総合的な性能評価となるのです。   また、固有と総合では、性能評価時に使用する線源も異なります。   固有と名の付く性能評価では必ず、点線源を使用し、コリメータがない分γ線の高すぎるエネルギーに影響を受けないよう、距離を離すことが鉄則です。一方で、総合性能評価では、面線源、線線源など評価する内容に応じて変化させる必要があります。 性能評価の内容とは? 固有性能と総合性能の両方の多くある全ての評価法までまとめようとすると、長くなりすぎてしまうため、別の機会にしますが、評価内容のなかには、固有と総合の両方で行うものもあります。   なので、もしこれから覚えるのであれば、そのあたりから行くといいでしょう。   ということで、以下にその代表的な評価項目を挙げていきたいと思います。 ➀空間分解能 空間分解能は解像度とも呼ばれるものですが、核医学検査に置ける空間分解能とは体内に存在する放射性同位元素(RI)の分布をどれだけ詳細に検出できるのかという目安の意味で使用されます。   例えば、体内で近い距離に2つのRIの集積が合った場合に、この集積が2つあると認識できるのか、はたまた、2つのものが1つに見えてしまっているのかといったことが空間分解能です。   空間分解能が悪いと画像の劣化やRIがどの程度、集積しているのかなどの定量評価にも影響を与えることになります。   ただ、空間分解能はガンマカメラを構成するシンチレータの発光精度、光電子増倍管の大きさ、位置演算機構の性能にも影響され、さらに、ガンマカメラの外側に装着するコリメータの有無、種類にも影響されるため固有性能と総合性能の両方で評価する必要があります。…

乳がんの罹患率が多くなってきた現在では、マンモグラフィ検査への注目も高くなっているのではないでしょうか。   そこで、今回はマンモグラフィ検査の役割についてまとめてみたいと思います。 スポンサーリンク そもそも、マンモグラフィ検査とは? マンモグラフィ検査とは、X線を使った乳房専用の画像検査です。専用の画像装置に乳房をのせ、圧迫筒で上下から圧迫し、乳房を押し伸ばした状態で撮影を行います。   撮影自体にかかる時間は1秒に満たない程度ですが、乳房が圧迫される時間は数秒程度あるため、痛みからか受診者は実際の時間より長く感じるかもしれません。   また、撮影は上下方向(CC)、内外斜位方向(MLO)と2方向で行うことが一般的です。そのため、片方の乳房でも2回圧迫され撮影することになります。   さらに、マンモグラフィは左右の画像を見比べて、病気なのか判断します。必ずといっていいほど、両方の乳房を撮影することになるでしょう。   もしあなたが、「右側だけしこりを感じるから、右だけ検査してほしい…』と思われていても、片方だけでは、病気の有無に関する判断が困難になるため、自ずと左側も撮影することになります。 出典:www.tkgh.jp スポンサーリンク マンモグラフィ検査で見つかる病気とは? マンモグラフィで見つける病気というか異常は、主に乳房内の『石灰化』と呼ばれるものです。石灰化とは、カルシウムの塊のようなもので、画像には白く写りこんできます。   「石灰化ががんと関係があるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は、大アリなんです!!   どういうことか。   実は、乳がんは石灰化を伴い成長することがあるからです。代表的なものとして、壊死型石灰化が挙げられます。乳がんができると、乳管内に癌が増殖し栄養状態が悪くなります。そして栄養状態が悪い細胞が壊死を起こし石灰化も起こすのです。   といっても、石灰化があるイコール乳がんといえるわけではありません。   乳房内にできる石灰化の95%が良性石灰化(原因として、乳腺症、線維腺腫、嚢胞など)と言われるものであるため、がんとは無関係です。   しかし、乳がんが石灰化を伴う病気である以上、マンモグラフィで写る石灰化は無視できない存在であるといえます。   マンモグラフィでは、   ➀乳がん ➁乳腺線維腺腫(良性腫瘍 ➂乳腺症   など代表的な病気の検出が可能と言われていますが、一番に注目されやすいのは石灰化の有無といえるかもしれません。 求めらる診断とは? といっても、石灰化の有無だけが求められる診断とは言えません。マンモグラフィでは、以下の4つ項目を診断し、乳がんが疑われるのかどうか判断し、他の検査の必要性まで判断することになります。 ➀存在診断 病気があるのか?これ一点を評価する診断です。画像に病気が疑われるものを写せているのかどうかというのが重要です。よって、撮影する診療放射線技師の腕が試される場面といえます。 ➁部位 疑わしい所見が、乳房のどの部位にあるのかを指摘します。部位に関する取り決めは、乳がん取扱い規約によって決まっており、それに準じるのが一般的です。   むしろ、勝手に決めたものを誰かに伝えても誤解を生じることになるため、覚えるのが需要です。内外斜位撮影(MLO)と頭尾撮影(CC)の部位名を下に紹介します。 ⅰ.MLOの場合・・・ 乳房を上から3等分して 上のL、中央のM、下のLとなる。 また、乳房から2㎝の範囲をSと呼ぶ。 ⅱ.CCの場合・・・ 乳房を2等分して 上のO、下のIとなる。 乳房から2㎝の範囲をSと呼ぶのはMLO時と同様。 ➂鑑別診断…

CT画像には、スライス厚という断層画像の厚みを表す値と、画像間の距離を表すスライス間隔という言葉があります。ただ、このスライス間隔が人の体をどうやって検査しているのか?   ということを少し誤解してしまうと混乱する要因になってしまうのです。スライス間隔とはどういったものなのかまとめてみたいと思います。 スポンサーリンク スライス間隔とは? CT画像は輪切りの断層画像を撮影して、人の全身を検査することが出来ます。ただ、この断層画像には厚みと画像を作成する間隔を決める必要があるのです。   この画像を作成する間隔のことがスライス間隔と呼ばれ、CT画像など断層画像を撮影する検査に飲み使われる言葉になります。   この【画像間の距離】には少し誤解が生まれやすいので注意が必要です。   どういった箇所に誤解が生まれやすいのか?   それは、どこをスタート地点にしてゴール地点をどこにするのかです。距離を測定するには、どこからどこまでを測るのかという基準が重要となります。   例えば、道路の幅を測定してください。と言われたら、どのように計測するでしょうか? 専門家の方々は、専門の用語があり間違えないのかもしれませんが、素人からすれば、車道だけの道幅なのか車道と歩道を合わせた道幅なのかの謎になるかもしれません。   このどこからどこまでという基準となっているのかというのがあやふやになっていると、CT画像でも体のどこをどのように表して画像化しているのかというのが、分からなくなってしまうかもしれないのです。 スポンサーリンク 正しいスライス間隔とは? では、どこから測定されているのか?   それは、スライス厚のスタート地点と同じところから始まります。   個人的にはスライス間隔という言葉が誤解を生むきっかけになっていて、私自身そうだったように、画像と画像の隙間がスライス間隔というのだと思う方もいるのではないしょうか?   この考えでいうと、スライス厚5mm、スライス間隔5mmという一般的に多い画像をCTで撮影したとすると、5mmの厚みの画像、5mmの隙間、5mm厚の画像、5mmの隙間ということになってしまうことになります。 ということは、200mm撮影するとなると、画像は100mm分の20枚が作られ、合計で100mmもの隙間が生まれていることになります。撮影対象の半分が画像化されていないことになります。   ここで「ん?おかしくないか?!」と思っていただけたら幸いです。   実際、この考えは間違っているのです!! ここまでのを間違って覚えないでくださいね。   正しいスライス間隔の考えというのは、   スライス厚5mm、スライス間隔5mmといえば、5mm厚の画像、この画像の終わりから次の5mmの画像を作成するということを行うのです。   つまり、スライス厚=スライス間隔で時には、隙間(技師の中にはギャップと呼ぶ人も)がないということなります。   では、隙間が生まれるのはどういうときかというと、   スライス厚5mm、スライス間隔7mmといったようにスライス厚に比べてスライス間隔が大きい場合です。   この場合、   スライス間隔7mm-スライス厚5mm=2mmの隙間ができ、その2mmの隙間の後に、また5mm厚の画像が作られることになります。       『なんだかややこしい!!』と思われても、この方式で広まっているので我慢するしかありません。 画像間に隙間を作る場合はあるの? あります!!  …

医療職は子どもから大人まで高い人気を誇る職業です。   「お医者さん」や「看護師さん」とかっこいい、かわいい白衣のイメージがするのか子供のなりたい職業のTOP10に毎年入っています。同様に、医師や看護師、薬剤師を筆頭に、子どもには医療職に進んで欲しいと思う親も多いのではないでしょうか?!   ただ中学、高校と自分で考えることができるようになると、医療職を目指したいと思っても、医師は学力が足りないからなれないし、看護師になってもやっていけるか不安など様々な思いが錯そうすると思います。   けど、それでも医療関係には進みたいと思う人は別の職種もあるのです!!そこで、医療職・医療従事者と呼ばれる職種にはどんなものがあるのかざっと紹介したいと思います。   これなら自分でもできる!!やってみたいと思える職種を見つけてもらえたら幸いです。 スポンサーリンク 医療職業 特に病院に関連の多い職種を集めてみました。 職種 一言・仕事内容 国立大学進学に必要な偏差値 私立大学進学に必要な偏差値 平均年収 医師 「臨床医」と「研究医」に分かれる。 「臨床医」は、患者さんに接し、病院で診察や治療を行う。 「研究医」は、原因や治療法が確立されていない病気に対する研究を行う医師。 東京大学79~琉球大学67。 少なくとも70超えるくらいの偏差値が必要です。 慶應義塾大学74~川崎医科大学63。 60後半から70弱の偏差値が必要。 1,477万円 35歳以下の若手のうちは平均940万円。 (17%はアルバイト代) 歯科医師 歯・顎・口腔の疾病・奇形・傷害を予防し、診断し、治療し、失われた歯と関連する組織を代わりの物で補うという医療行為を行う。 東京医科歯科大の66~長崎大学61 60を超える偏差値が必要。 東京歯科大学58~鶴見大学41。 621万円 年収が高い歯科医師もいますが、歯科医院はコンビニより多くなり、供給過多状態のため、平均年収は下がり続けているようです。 薬剤師 医薬品に関するスペシャリスト。 医師の処方箋に基づいて調剤・供給したり、その他の薬事衛生面を司り国民の健康な生活を確保する。 京都大学71~富山大学63 医学部なみの偏差値が必要になることもあるようです。 慶應義塾大学67~青森大学35 偏差値にだいぶ開きがありますが、大学によって就職先が限定されることもあるため、なるべく高いところ目指した方がいいでしょう。 510万円 大企業や中小企業など就職先によって開きがあるようです。 看護師 新しい命が誕生する瞬間や、人が元気に過ごせるように、また病気の予防を行うこと、病気の人を看護したり、また、時には死を迎える看護を行う。 大阪市立大学59~沖縄県立看護大50 50以上あれば、ある程度選べるようです。 慶應義塾大学62~関西医療大学50 480万円。 夜勤がある場合は、年収はもっと多くなるようです。 大学病院でも場所によって年収に100万円の差がつくことも。 助産師 妊婦の健康管理、妊娠中の食事、運動などの生活指導、分娩、そして出産後も、じょく婦の体調管理、母乳指導、乳児指導と、妊娠から出産、育児に至るまでの「人の誕生」に関わる一連の流れを管理、指導する。 保健師の免許を取るためには、まず「看護師」の資格が必要。…

前立腺がんに対する治療法の放射線治療ですが、その一つに「小線源治療」と呼ばれるものがあります。   この治療法は、小さな放射線源をがんのある組織の中に挿入して照射を行うもので組織内照射とも呼ばれているようです。(英語ではブラキテラピーとも呼ばれています。)   日本では平成15年7月から認可を得られた治療法で、侵襲性の少ない治療なのに手術と同程度の治療効果が得られるうえに入院期間が短いと利点も多く、この治療法を選択される方も増えているようです。   ただ、『悪いものは全部取ってしまえ』と思う方や、『放射線』という言葉に抵抗のある方も多いではないでしょうか。そこで、今回は前立腺がんのシード線源治療とはどういったものなのかま溜めてみたいと思います。 スポンサーリンク どんな治療なのか? ヨードの放射性同位体である¹²⁵Iをチタン製のカプセルに封入し(小線源)、それを前立腺内に挿入します。   小線源からは弱い放射線が出ており、挿入された直後から前立腺がんに攻撃し、治療することになります。挿入する数は50~100個ほどで、後に回収されることはありません。なので、まさに死ぬまで一緒に生活することになります!!   ただ、小線源カプセルは一生ものですが、小線源から放出される放射線は一生出ることはありません。挿入される小線源から放出される放射線量は徐々に少なくなっていき、一年後にはほぼゼロになると言われています。   もっと、厳密に言えば、¹²⁵I(125‐ヨード)の放射線量が半分になる時間、半減期と呼ばれるものは59.4日で、約2ヶ月間です。   さらに、2ヶ月経てばその1/2(最初の1/4)、そのさらに2ヶ月経てば1/2(最初の1/8)となります。よって、「小線源が体内に一生あるから、一生放射線被ばくし続ける」とはならないのです。   ちなみに、実際にどんなものが挿入されるのか気になる方もいると思うので、下に載せておきます。 出典:www.nmp.co.jp- この治療法は、全身麻酔下で行われるので、入院は必ず必要ですが、全摘手術に比べて入院期間が短く、数日程度で済むようです。 スポンサーリンク この治療法を選択するには? どんな治療法にも適応となる条件がありように、シード線源治療にもあります。   その条件とは?   前立腺内に限局したがんであるということです。   がんという病気の怖いところは、転移や浸潤して病気を全身に広げてしまうところです。転移や浸潤が進んでしまうと、選択できる治療法が少なくなっていきますが、この病気も同様です。   小線源を用いた放射線治療の場合、がんの転移や浸潤がなく、がんが前立腺内にとどまっていることが条件となります。   病期Bと呼ばれる段階です。   被膜外、精嚢、膀胱などへの浸潤があったり(病期C、 T3~4)、リンパ節や骨、もしくは他臓器への転移を認める場合(病期D、 N1/M1)にはこの治療法は選択できなくなります。 分類 内容 ステージA 触診でも超音波検査でも発見不能なごく小さな腫瘍で前立腺肥大症の手術などで偶然見つかったもの。 ステージB 前立腺内にとどまっているもの。 ステージC 前立腺被膜を超えて進展しているが転移はないもの。 ステージD 転移があるもの。   それ以外にも適応から外れる場合もあるようなので、列挙しておきます。   ・小線源治療を受けられない場合 ①前立腺肥大症を伴って、前立腺が非常に大きくなっている、または、過去に前立腺肥大症の手術を行っていて、前立腺内に空洞がある場合。  …

肥満には、皮下脂肪が多く溜まる洋ナシ型(女性に多い)か内臓脂肪が多く溜まるリンゴ型(男性に多い)の二つにわけることができます。   特に内臓脂肪の蓄積量が多いリンゴ型は、高血糖、高血圧、高脂血症、動脈硬化性疾患の発生リスクが高まることが確認されているため、油断なりません。   しかし、内臓脂肪量は腹囲の測定だけではわからないため、腹部CT検査が行われます。これは、日本内科学会総会でも推奨されていることもあり、人間ドックでも行われる機会が多くなってきました。   そこで、どんな検査なのかまとめてみたいと思います。あまり費用の掛からない検査なので、参考いただければ幸いです。 スポンサーリンク そもそもメタボリックシンドロームとは? 日本では、腹囲径(おへその高さ)が男性85cm女性90cmを超え、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つに当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。   さらに、メタボリックシンドロームの診断には、内臓脂肪の蓄積が必須条件となっています。   メタボリックシンドローム診断基準 必須項目 ウエスト周囲径 (内臓脂肪面積) 男性 ≧ 85cm 女性 ≧ 90cm (男女ともに≧100㎝²相当) 選択項目 3項目のうち 2項目以上 高トリグリセリド血症 かつ/または 低HDLコレステロール血症 ≧ 150mg/dL   < 40mg/dL 収縮期(最大)血圧 かつ/または 拡張期(最小)血圧 ≧ 130mmHg   ≧85mmHg 空腹時高血糖 ≧ 110mg/dL   この内臓脂肪量の測定をCTで行うことを望ましいとされているので、人間ドックでも脂肪量測定CTが広く行われているのです。 スポンサーリンク どんな検査をするの? 内臓脂肪量を測定するには、へその高さの腹部CT画像が一枚あれば、行うことが出来ます。そのため、一般的な腹部CTとは違い、一枚~数枚撮影すれば、撮影自体は終わりになります。部屋に入るところから出るところまででも5分あれば十分なことが多いでしょう。   撮影時は、呼吸を止める必要ありますが、数秒程度、吐いたところで息を止める程度です。(呼気時に息止め)   安く・楽な検査ですね。 赤帯の部分のCT画像を撮影する。…