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未分化型と分化型の胃がん

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癌細胞とは、正常細胞の突然変異によって起こるものです。

胃がんの場合、突然変異を起こした細胞年齢によって、未分化型と分化型に分けることが出来ます。

 

その二つを僕の視点で簡単にまとめてみたいと思います。

(感覚が異なる場合は逆にわからなくなるかもしれませんが、よろしくお願いします。)

 

未分化型

未分化型とは、細胞年齢が若く、未成熟な細胞が癌細胞になってしまったものです。

子供が元気に溢れ、気がついたら成長していたなんてことを思うのと同じように、未分化型の癌細胞は、周囲の細胞を壊しながら急激に進行するのが特徴です。(びまん浸潤)
気がついたら胃全体や他の臓器にまで転移して末期がんだった・・・なんてことも考えられるのです。

悪性度の高い癌です。

 

分化型

一方、分化型は、成熟した大人な細胞が癌細胞になってしまったものです。

体における成長の余地が大人になるほど、少なくゆっくりになるように、分化型の癌細胞も未分化型に比べゆっくりと成長します。

 

また、動き回る力にも乏しいため、限局的に成長することが多いと言われており、胃全体に広がることは少ないといえます。

未分化型に比べ、悪性度の低い癌です!!
それでも、治療は必要ですが・・・。。

 

と、いうことは・・・

ここで考えてみてください。

 

若い細胞がガン化すると悪性度の強い未分化型になり、成熟した細胞がガン化すると悪性度の低い分化型になるということは・・・です。

 

高齢者に若い細胞が多くあると思いますか?
若い細胞が多くあるのって、年齢が若い人ってことになりますよね?!

 

ということは、若くして胃がんにかかるほうが、悪性度が強く、進行の早い未分化型の胃がんの確率が高く、

逆に、高齢になるほど、悪性度が低く、進行の遅い分化型の胃がんの可能性が高いことになります。

 

未分化型は分化型に比べて、10倍前後早いと言われるほどなので、胃がんのリスクが高くなり始める若い40代は定期的な検診を受けることを、それ以下の年齢の方では、「食事量が減る」、「食欲不振」、「吐き気」、「血便・黒色便」、「体重減少」など異常が見られたら、病院にかかることをお勧めします。

若い世代ほど、胃がんが進行し、手遅れになりやすいのです!!

 

ちなみに・・・

未分化型は女性に多く、分化型は男性に多いと言われています。

そして、有名なスキルス胃がんは未分化型であり、若くして胃がんで亡くなる方の多くはこの癌だったそうです。

 

表にまとめると

  未分化型癌 分化型癌
悪性度 高い 未分化型より低い
進展形式 びまん性 限局性
転移形式 リンパ行性 血行性
年齢 若年者に多い 高齢者に多い
女性に多い 男性に多い

X線(バリウム)での特徴・見え方

では、未分化型と分化型はバリウムなどの検査でどうやって見えるのか少しだけ触れたいと思います。

未分化型がんは胃の正常な粘膜を破壊しながら、びまん性に浸潤するため、胃壁に凹み(陥凹型)を作りやすいと言われており、隆起することは稀のようです。

一方、分化型は、胃の正常細胞に置き換わるように進展したり、腺管というのを形成しながら発育していきます。
すると、胃壁に隆起が見られるようになります。(未分化型と同様に陥凹型もあります。)

その割合を見ると以下のようになります。

  隆起型 陥凹型
分化型 44% 56%
未分化型 2% 98%

つまり、隆起する癌の場合は、分化型がほとんどということになります。

そして、陥凹型の未分化型と分化型の癌でも見え方が少し異なります。
それを図で表すと・・・

未分化型は胃の粘膜表面に大小不同の顆粒状の凹凸を作り、分化型は平滑または微細な顆粒状で見られます。

つまり、未分化型のほうが表面模様が荒れているようにみえ、癌の表面には粘膜ひだが観察できないことが特徴です。

そして、分化型は表面模様の荒れ方は少なく、粘膜ひだが中心に向かいヤセて観察されます。

最後に、実際の未分化型と分化型のバリウム像を一例として載せたいと思います。
ショッキングなら見るのはやめてください。