診療放射線技師の国家試験では、以前に比べて明らかに画像問題が増えました。
特に出題されやすいのは、頭部CT,MRI画像です。
毎年、必ずといっていいほど、どちらかが出ているように思えます。
MRI画像問題は以前にまとめてみたので、参考いただきたい。
今回は、頭部CT画像問題をまとめてみたいと思います。
読んでいただいた方のの助けになれば、幸いです。
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頭部CT解剖学
画像問題で一番重要になるのが、解剖名を覚えることと言っても過言ではありません。
なので、まずは解剖名を少しだけ復習致しましょう。
と思ったのですが、[PDF]7・1 頭部 headで頭部CTの解剖図譜のPDFがあるので、ここで復習いただければと思います。
ただ、3D画像も出題されるので、それに関してはここで押さえておきましょう。
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頭部CT画像といえば・・・
最も多く出題されるのは、出血に関する問題です。
その理由は、CT検査は短時間で行えることから、脳出血の検出率も高いため救急時に行われることが多いためだと思われます。
病院に就職する前から知っておいてほしいという出題者の意図が見えるようです。
なので、まずは出血が関連する画像問題から見ていきます。
脳出血
頭部画像で出題される脳出血の種類は主に4種類です。
・くも膜下出血
・硬膜下血腫
・硬膜外血腫
・脳内出血
これら出血のCT画像における共通点は、出血している様子が白く、高濃度なって描出されることです。
例えば、下のような感じで表現されます。
白くなっている場所に、血液が溜まっていることになります。
では、順番に見ていきたいと思います。
くも膜下出血
くも膜下出血とは、くも膜下腔に出血が起こり、脳脊髄液に血液の混入し多状態です。
脳脊髄液のCT値は0近くであるため、本来黒く表現されるはずです。
がしかし、くも膜下出血時には、出血の影響で脳の溝のところが白く高濃度で表現されることになります。
正常画像と比べると下のような感じです。
これを踏まえ、国家試験で実際に出題された画像を見てみると、
と確かに、脳溝に沿って、白い描出されているのがわかります。
くも膜下出血の画像を見たところで、ついでに、主な原因となる脳動脈瘤の好発部位を一緒に押さえておきましょう。
解剖図で表現すると下のようになります。
授業では、一言で終わりにされることもあるようなことですが、臨床で重要視されるため出題される可能性も大いにあります。
急性硬膜下血腫と急性硬膜外血腫
・急性硬膜外血腫
硬膜外血腫は、頭蓋骨骨折が起きたときに、硬膜の血管が破綻し頭蓋骨と硬膜の間に出血
を起こしている状態です。
脳表にはあまり広がらず、脳実質を圧迫するように出血するため、凸レンズ状の血腫が見られ、骨折が起こった側でのみ起こるのが特徴です。
・急性硬膜下血腫
外傷後の急性期に硬膜とくも膜の間に出血したものです。
脳表に広く広がり、三日月状の出血が見られるのが特徴です。
脳挫傷による脳表血管からの出血のため、受傷側にも反対側にも発生します。
この二つはよく混乱されるため、選択肢に二つとも容易されていることがあると注意が必要になるでしょう。
なので、特徴をまとめて覚えておくといいでしょう。
そして、急性硬膜下血腫を起こしてから時間を経過していると、慢性硬膜下血腫となります。この慢性硬膜下血腫も国家試験で出題されるようなので・・・
・慢性硬膜下血腫
原因は外傷ですが、症状がでるほどの出血量に達していない場合に起こります。
血腫が三日月状に広がること自体は急性時と同じですが、大きく違うのはその濃度です。
慢性化している為、急性期と違い脳実質と等吸収の場合や、低吸収で見られます。
脳出血
脳実質内に血腫が形成されたものが脳内出血です。
好発部位は、
➀被殻
➁視床
➂小脳
➃橋
➄皮質
という順になります。
実際の画像が下のような感じです。
選択肢に出てくる症例
・脳腫瘍
脳腫瘍は単純撮影時は脳実質とほぼ等吸収値でわかりにくいが、造影剤を使って検査すると、腫瘍内が白く染まるのが特徴です。
ただ、脳腫瘍はMRI画像のほうがはっきりとわかることが多く、CT画像としては出題されることは内容に感じます。選択肢の一つになるくらいがいいとこでしょう。
・水頭症
脳脊髄液の産生・循環・吸収のどれかに異常が起こり、脳室内に脳脊髄液が溜まり脳室が拡大することをいいます。脳室に脳が圧迫し、障害が起こることもあるようです。
CT画像ではわかりやすく、脳室が正常な人に比べて大きなって描出されます。
まとめ
頭部CTといえば、やはり解剖的な問題か出血に関連したものが多く出題される傾向にあるので、解剖と出血のものだけを理解していれば、なんとかなることが多いように感じます。