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骨が弱くなる骨粗しょう症の検査

骨の強弱を測定する検査を骨密度検査いいます。
骨が弱くなると骨折しやすくなり、脊椎では圧迫骨折をしやすく上向いて寝ることも辛くなり、股関節を骨折すると歩くことができなくなり、生活の質が極端に下がります。

 

骨が弱くなる病気を骨粗しょう症といいますが、骨粗しょう症は骨折だけが恐いのではなく、その後の生活まで影響を与え、不自由を強いることになるため、骨密度は重要な指標となります。

 

では、その骨密度を測定する検査はどのように行われるのでしょうか?

 

その方法は主に以下の3つになります。

 

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骨密度検査法

①DXA(デキサ)法
腰の骨(腰椎)と大腿骨の付け根(股関節頚部)をエネルギーの低いX線を使い測定します。以下の2つの方法より正確な測定が可能です。
腰椎を測定に使う理由は、骨代謝が盛んな海綿骨の情報を 多く含んでいるため、その他の部位で測定を行うよりも骨量の変化を 顕著にとらえる事ができるからです。
股関節は、骨折時に生活の質の低下に直結する部位だからです。(寝たきりの原因)

 

②MD(エムディ)法
X線を使い、手の骨を厚さの違うアルミニウム板と一緒に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることで測定します。


③超音波法

かかとやすねに超音波を当てて、その跳ね返りから測定を行います。

骨密度の測定は数値で表現されますが、成人(20~44歳)の平均値と比較した若年齢比較や同年齢の平均と比較し、正常かどうかを判定します。

基準の80%以上 :正常
70~80% :骨量減少(要注意)
70%未満 :骨粗しょう症

他にも、血液検査や尿検査によって、骨の新陳代謝を知ることができ骨の強度を測ることができます。(骨代謝マーカー)

 

骨の新陳代謝とは、骨を作る作業(骨形成)と骨を壊す(骨吸収)の働きを示します。骨が作られるより壊されるほうが優位になると骨代謝異常と呼び、骨が脆くなりやすくなります。

 

骨代謝異常はその時は骨密度が高くても骨折をしやすい体になっているため注意が必要です。

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どんな時に検査をするのか?

骨密度検査は以下の目的で検査することが多いです。

 

①骨減少症や骨粗しょう症の発見
②将来、骨粗しょう症発症のリスク判定
③薬剤による骨量減少の有無
特に、女性の場合、閉経後のエストロゲンというホルモンの減少により骨粗しょう症になりやすいと言われています。実際に、骨粗しょう症患者の8割は女性との報告もあります。

骨粗しょう症とは?

骨強度の低下により骨折のリスクが高い状態を骨粗しょう症といいます。

骨折の起こしやすい個所として、
脊椎(椎体)、肩付近(上腕骨近位部)、手首(橈骨遠位端)、大腿骨近位部が挙げられます。

脊椎は圧迫骨折として現れることが多いです。圧迫骨折によって、身長が低くなったり、姿勢が悪くなったりします。この場合、痛みを伴う方もいれば、痛みがなく気づかないで生活をしている方もいますが、姿勢の変化や身長の低下が見られたときは、近医にかかるほうがいいかもしれません。

 

大腿骨の付け根(股関節)は、転倒時に骨折することが多く、さらに骨折後には長期間歩くことができずそのまま寝たきりの原因になります。

 

骨粗しょう症は骨折の恐れだけでなく、それに付随して、運動機能の低下(思うように動けなくなる)、生活の質を低下させる原因になります。
加齢とともに誰もが発症するリスクを高める疾患です。早期発見・早期治療を心がける必要があります。

どうやって検査をするの?

①MD法
機器に手を置くだけです。撮影中に動かさないことが大事です。

 

②DXA法
⒈装置の寝台に仰向け(上向き)に寝る。
⒉X線を照射して、測定を行う。
息を止める必要はなく、動かないように寝ているだけです。
⒊大腿骨を測定する場合、足を内股の状態にします。
⒋X線を照射して、測定を行う。
足全体を動かないように、寝ているだけです。

 

手を置くか寝ているだけで終わる検査のため、検査時間は5分程度です。
検査時に痛みを伴うことはなにもありません。ただ、背骨が丸くなってしまい、仰向けに寝るのが辛い方は、DXA法の場合、辛いかもしれません。

検査の注意点

①MD法
指輪など、金属を身に付けている場合は外す必要があります。

 

②DXA法

Ⅰ.金属やプラスチックなどは、X線の透過を妨げるため過大評価になりやすいです。何もついていない検査着に着替えるか服のボタンを開くことが必要です、

Ⅱ.動きに弱い検査のため、身体を動かさないことが重要です。呼吸は楽にしていて大丈夫です。息を止めても結果に影響しません。

Ⅲ.当日にCTやMRI検査で造影剤を使っている場合や、近日中にバリウム検査を行っている場合は、装置が造影剤を骨と認識してしまい、正確な検査を行うことができません。また、核医学検査も放射線が体内から放出されている状態で、骨密度を過小評価する恐れがあり、検査を行うことができません。

 

かかりつけの病院が異なる場合や健康診断など、多少のスケジュール管理が必要です。
不明な点があれば受け付けで相談するといいでしょう。

 

結果はどうやってみれるの?

DXA法の場合、下の写真のような結果が表示されます。
同年齢の平均との比較や若年齢比較など示されており、平均と同程度だと100%を示します。自分が平均に対して、どれくらいの骨密度か見るとよいでしょう。

 

80%未満の数値だと、注意する必要があります。

 

わかりにくい場合は、色分けされたグラフで判断することをお勧めします。

 

何度も検査を行っている方は、グラフに以前の結果が反映されており、上がっているのか下がっているのか、変わらないのか一目で判断できるようになっているはずです。

 

被ばく量

骨密度検査における被ばく線量は、放射線検査の中で一番少ないと思えるくらい少ないものです。