誤嚥を調べる!飲み込み検査

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それが、「嚥下造影検査」と言われるものです。

この検査はリハビリテーション科の医師と言語聴覚士とが主体で行う検査のことです。

これからリハビリ訓練を開始する人やリハビリ中の成果を判断するために行われます。

この検査結果次第で、食べるという楽しみを再度持つことができるためとても重要な検査です。

ということで、もっと詳しく見ていきたいと思います。

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嚥下造影検査とは?

嚥下造影検査(vedeofluoroscopic examination of swallowing;VF)は摂食・嚥下障害が疑われる患者さんを対象に、造影剤を混ぜた水やゼリー、とろみのある水、固形物を口から食べてもらい、口の動きや、のどのあたりの食べ物の通過の仕方など、食べるという一連の流れをレントゲンで観察する検査のことです。

 

 

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そもそも正常な嚥下とは?

普段当たり前に食べたり飲んだりしたりしているとわからないものですが、そもそも正常な嚥下とはどのようなものでしょうか?

 

摂食・嚥下とは、食べ物を見て確認することから始まり、食べ物を口に入れ、咽頭、食道を通り胃に至るまでの過程を言います。

 

その過程は、先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の全5期に分かれているようです。

 

・先行期
認知期とも呼ばれ、これから食べるものを見たり、においを嗅いだりして食べ物の量や質など確認し、これからどうやって食べるかを判断し、唾液の分泌を促します。

 

・準備期
口腔準備期とも呼び、食べ物を口の中で、噛んだり、押し潰すなどして、砕き飲みこみやすくする段階のことです。味もこの段階で感じます。
咀嚼をして食塊を形成します。

 

・口腔期
舌を使って、砕いた食べ物を咽頭(喉)方向に送り込みをする時期。

 

・咽頭期
食べ物を咽頭から食道に送り込む時期。
食塊が気管に入るのを防ぐため、のどのところで複雑な動きをしています。

 

・食道期
食べ物を胃へ送る時期。
食道括約筋(しょうどうかつやくきん)による蠕動運動に食べ物の送りこみと閉鎖による逆流防止を同時に行います。

 

これら5期が正常に動いて、普段、私たちはものを食べているのです。
自然とやっているから意識するのは難しいかもしれません。

 

そして、嚥下障害とは4・5に見られる食べ物を飲み込み始めたあたりから働きをいいます。

嚥下障害だとなにが起こるの?

嚥下障害とは、モノを食べ時にのどに残ってしまったり、食道に送り込まれずに気管に間違えて入る誤嚥を起こしたりすることを言います。このような状態になると、食べる・飲むことが上手くできず、食べてもむせたりすることになります。
この症状は、病気で身体が弱っている方や、高齢の方、また脳卒中による後遺症が見られる方に多いです。

嚥下障害において一番問題になるのは誤嚥です。誤嚥は食べ物が食道ではなく気管に入ってしまうことを言います。不自由なく食べることが出来る人は誤嚥しても、通常はむせて気管から排出する反射機能が働きます。

しかし、この反射機能が鈍ってしまうと、気管に入ってしまった食べ物を排出できず、結果として肺炎を引き起こすことがあります。この誤嚥が原因で肺炎になることを誤嚥性肺炎と呼ばれています。

 

高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われており、誤嚥性肺炎が原因で死亡するケースもあります。(肺炎は日本人の死亡原因第4位であり、その94%は75歳以上)

このように考えると、嚥下障害は重篤な病気を引き起こす原因になるということです。

出典https://www.kawamoto-sangyo.co.jp/symptoms/goenseihaien/

 

検査目的

1、症状と病態の関係を明らかにするため
「診断のための検査」であり、形体的異常、機能的異常、誤嚥、残留を明らかにする。

 

2、食物・体位・摂食方法などの調整により治療に反映させるため
「治療のための検査」であり、食物や体位、摂食方法を調整することで安全に嚥下し、誤嚥や残留を減少させる方法を探す。

 

この二つの検査目的で最終的には、嚥下機能の向上により生活の質(QOL)を高めるために最も適切な食物、姿勢を検討する。

検査方法

検査は、口に入れときから飲み込むまでをレントゲンで観察・録画するため、X線透視装置がある部屋にて行うことになります。
透視装置の撮影台を立てた状態にし、撮影台とは独立した椅子に座り検査をします。椅子はリクライニング機能のある背もたれのある椅子で、検査中に嚥下がしやすい体位角度を試すことができるものを使います。

 

椅子に座り、造影剤を混ぜた、とろみのある液体、ゼリー、さらさらとした水、ご飯など固形物を順番に食べてもらいその様子をレントゲンで観察します。

このとき食べるものは、造影剤が混ざるため、美味しいとは言えないかもしれません。

 

ちなみに混ぜる造影剤は、バリウムか非イオン性ヨード造影剤です。

 

バリウムは安価で手に入れやすく、大量の誤嚥がなければ比較的安全である。また、造影効果も高く、X線に写りやすいし、食物への加工もしやすい。
非イオン性ヨード造影剤は、検査中誤嚥しても、体内に吸収されるため肺炎を引き起こすことなく安全ですが、とても高価な薬剤で味も不味いです。しかし、ヨード造影剤にアレルギーがある場合には使用できないため、バリウムを使用することになります。

 

使う造影剤は施設によって違いはあるかもしれませんが、バリウムを主体で混ぜるところとヨード造影剤を主体混ぜるところとあるようです。

観察のポイント

造影剤の混ぜた食品の動態と動態異常になっている解剖学的構造の異常・動きを区別して評価します。嚥下・誤嚥の状態は食物の形態・量・・温度によって異なるため、どんなものをどんな姿勢で食べたかを観ることになります。

 

そして、口の中では、どのように咀嚼し、奥に送り込むのか。

 

のどでは、食物が逆流していないか、食道に送り込まれず残留していないか、気管に入りこんでいないかを観察します。

 

 

被ばく線量

1人の検査時間は10~20分ほどになりますが、実際にX線を照射している時間は5分前後と短い。
また、X線を照射する部位も口から頚部にかけてと限定的になっている。
さらに、以前に比べて最近の装置はX線量が少なくて済むことから、被ばく線量はとても低いとされています。

 

ただ、X線照射しながらの検査であるため、胸部撮影の被ばく線量は0.4mGyに比べ高く、ある施設では6~9mGyほどの被ばくがあると考えられます。

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