検診や病室、検査室など様々な場所で行うことができる超音波検査。
どういった検査なのか?
どうやって受けるものなのか?
参考にしていただければ、幸いです。
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超音波検査とは?
超音波検査は、腹部や産婦人科だけではなく、心臓や乳腺、甲状腺や膀胱や腎臓などの泌尿器など広い領域で使われ、診断に応用されています。
超音波検査は、超音波を物質にあてて、その反響を画像化しているものですが、難しいのでやまびこで考えてみてください。
高い山に「やっほー」と叫び、山から「やっほー」と返ってくるアレです。
または、コウモリが超音波を発しながら周りを把握し、飛んでいるという話を聞いたことがあるでしょうか。
これらの技術を、専用の機器を使い画像化しているのが、超音波検査です。
音の反射を利用しているため、放射線被ばくはありません。
この原理を用いて、肝臓や腎臓といった臓器を始め、血管、血管内の血流や心臓の動きのように動いているもの検査を行うことができます。
ただ、空気のような気体では超音波は伝わりにくいため、肺や消化管の検査には向かず、骨のように硬く、超音波が反射しやすい部位でも表面しか観察できない特性を持ちます。
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どうやって検査をするの?
検査部位にプローブという超音波の発信と受診を行う機器をグリグリと押し付けて検査を行います。(痛みはなく、頚部検査の時は、意外と気持ち良く、マッサージされているような感覚です。)
ただ、プローブをそのまま検査部位に押し当ててしまうと、プローブと皮膚の間に小さな隙間出来てしまい、身体の深部まで超音波が届かず、うまく画像化することができません。
そこで、プローブにジェルを付けて皮膚とプローブの間の隙間を埋めて、より深部まで超音波が届くようにして検査を行います。
呼吸の影響を受ける肝臓や腎臓(横隔膜直下の臓器)の検査では、呼吸時に画像がブレる可能性が強く、息を止める必要があります。
簡単にまとめると・・・
- 検査対象になる部位の衣服を脱ぐまたははだける
- ジェル状のゼリーがついたプローブをグリグリされる。
- 必要に応じて、横向きやうつ伏せ、息を止める。
- 検査後に身体についたゼリーをふき取る。
- 身支度を整える。
心臓の検査(心エコー検査)を除けば、10分前後で終わります。
検査時の服装
一度に行える検査部位は限定的であるため、その対象になる部位を簡単に出せるような服装であればいいと思われます。
例えば、
頚部検査
首回りが出しやすいような服装。
タートルネックや首元ギリギリまであるTシャツは脱ぐか襟元が伸びることもありえます。
ネックレスなど、アクセサリー類は検査室ではずせばよいでしょう。
腹部検査
お腹が出しやすいような上下が分かれた服。
ワンピースやつなぎ作業服などは適さないでしょう。
骨盤部
病院で着替えるか下半身の衣服を脱ぐ
足
短パンやまくりやすいズボン、スカートが適しているでしょう。
ジーパンなどはまくりにくいので、着替える必要がでそうです。
それでも、適した服を持っているかどうか普段の服の好みにもよります。
悩んだ時のポイントは、ある程度余裕をもった、ゆったりとした服装を選ぶといいでしょう。
超音波検査の特徴~利点と欠点~
超音波検査の利点は、場所を選ばずできること、放射線被ばくがないこと、リアルタイムに特定の臓器の観察でき、かつ、その血流情報を得られることにあります。
・場所を選ばずにできる
正確にいうと、患者さんが寝れるだけの空間と電源がある場所ということになりますが、
超音波装置は、持ち運び可能なものが多く、検査室はもちろんのこと、診察室や病室、手術室など、どこにでも移動して検査することができます。
・放射線被ばくがない
X線など放射線被ばくがないため、被ばく防護措置を行う必要もありません。
妊娠中など、患者さんの状況に影響されず検査を行うことができます。
また、検査中、人が離れる必要がないため、患者さんが急を要する場合でも、検査しながら、処置を行うことも可能です。
・リアルタイムに観察できる
リアルタイムに観察することが可能なので、超音波で臓器を位置を確かめながら、治療や細胞の採取(精検)を行うことができます。(エコーガイド下)
また、血流情報を見ることで、出血などを発見することができます。
これらの利点のため、救急外来では、超音波検査が第一検査になることもあるようです。
ついでにいうと、検査価格も優しく、X線を使う検査より安価なものが多いです。
しかし、超音波検査にも欠点があります。
なによりも、肺など空気が多い部位に関しては、超音波が進みにくく、反射がないため検査を行ってもわかりにくいことです。
そのため、お腹の検査でも、腸内にガスが多い人だと良好な検査を行いにくいといえます。
次に、X線検査に比べ、画像の質に限度があることです。
臓器や血管を縦や横、斜めといった好きな角度で観察でき一方で、検査者が慣れていないと、画像自体がどこをどう映しているのかわかりにくいです。
画像の視野が狭いため、広範囲にわたる検査には不向きといえます。
肝臓という臓器の場合、何枚かに分けて撮影を行う必要があるくらいです。
検査を行う人の技術面にも大きく影響されます。
熟練とまだ未成熟なものが検査を行った場合、時間と検査の質に直結する検査といえます。
超音波の検査を一人前になるには、多くの教育と経験が必要と言われています。
どんな画像が見られるのか
検査画像には、臓器や病気の存在を示しているのもや血流を赤と青で表している画像(カラードプラ)があります。
カラードプラ法では、動脈が赤く、静脈が青のが一般的です。