診療放射線技師を目指すものにとって、国家試験は最終関門です。
しかし、その出題範囲の広さから勉強法について悩むことが多いです。
そこで、僕の経験からで申し訳ないのですが、その勉強法について紹介したいと思います。
スポンサーリンク
使った参考書は二つだけ!!
僕が使った参考書は二つだけです。
なぜなら、学費は親に出してもらっていましたが、月々の生活費はバイトで稼いでいたため、1冊9000円近くもする参考書を何冊も買う余裕がなかったからです。
お金がなかったのです。
家賃2万円、昼間の大学に通ってましたが、4年間、週4~5日の割合で時給が上がる10時以降にファミレスでバイトしていました。
もちろんバイトの収入も知れたものなので、結構な節約生活をしていました。
それでも、学校の模試も常に上位でしたし、国家試験にも合格できました。
結果的に、卒業後、あまり使えない参考書を買わずに済んでよかったとも思ってます。
まぁ、無駄な話はさておき、なんの参考書を使ったかというと、
2018年版 診療放射線技師国家試験 完全対策問題集: ―精選問題・出題年別― 単行本 – 2017/5/19
僕の時は、もっと古い版でしたが、過去問が10年分あり、解説が豊富にあるのが特徴です。
それにしても、表紙の雰囲気もかなり変わってきて時代の流れも感じるようです。
2018年版 診療放射線技師国家試験 合格!Myテキスト: -過去問データベース+模擬問題付- 単行本 – 2017/5/19
上の過去問に連動した形で、形成されているため両方からの検索がしやすい。
どんだけオーム社が好きなんだ!!?と思うくらい、他には参考書は買いませんでした。
ただ、これだけを使っていたのではなく、大学の授業で使っていた教科書を使って勉強はしていました。
むしろ、授業で使うような専門性のある教科書のほうが、深いことを知りたくなったときに調べやすく、よかったです。
そして、個人的にはMyテキストのほうは、単語が羅列されているようなものなので、内容が薄く満足できるものではありませんでした。が、過去問と連動しており、出題ページが載っているのが好きでした。
「あれどこだっけ?」と思った時に活用出来た気がします。
そのため、使いこむというほどではなかったと思います。
よくおススメされている、「診療放射線技師 ブルー・ノート 基礎編」、「診療放射線技師 イエロー・ノート 臨床編」(メジカルビュー社)は二つ揃わないと内容が向けているような感じです。
さらに、高額で内容も専門書に比べれば薄く具体的ではないので暗記には向いていますが、理解する資料としては向いていないと思ったので使ったことがありません。
それでも、一つの項目が2ページ程度によくまとまっていますし、使い方によっては便利であるので、周囲の80~90%の人は片方か両方、買って勉強していたと思います。
やはり、惹きつける何かがある参考書であることは間違いないのでしょう。(説得力がないのが寂しいですが・・・)
スポンサーリンク
過去問の解き方
おそらく、大学の先生が教えることは同じだと思うのですが、過去問にも解き方があります。
一番やってはいけない解き方が、ただ単純に解くということです。
実際の66回に出題された問題を例にしてみると、
14 X 線画像処理装置と構成要素の組合せで正しいのはどれか。
1.CR ――――――――――― CCD カメラ
2.DSA ―――――――――― log 変換器
3.I.I. DR ――――――――― 集光ガイド
4.直接変換方式 FPD ―――― a – Si
5.間接変換方式 FPD ―――― a – Se
正解は2
せいかーい!!となりますが、
それで満足してしまうとダメです。まったく勉強になりません!!
上の問題で正しい組み合わせが一つしかないということは他の組み合わせは間違っていることになりますが、どうしたら正解になるのかまでやる必要があります。
つまり、
14 X 線画像処理装置と構成要素の組合せで正しいのはどれか。
1.CR ――――――――――― 集光ガイド
2.DSA ―――――――――― log 変換器
3.I.I. DR ――――――――― CCD カメラ
4.直接変換方式 FPD ―――― a – Se
5.間接変換方式 FPD ――――a – Si
この問題は入れ替えるだけで、正解になってしまいますが、最低でも正解になる用語を結びつけるくらいやらないと意味がありません。
もっと欲を言えば、自分なりの解説をつけてみましょう。
上の問題は、全て検出器の構成要素の問題といえますので、それに関する説明文もつけてみましょう。(簡単でもいいのです。)
1.CR ――――――――――― 集光ガイド
CRはイメージングプレートを用いた検出器でDR(デジタルラジオグラフィ)の一種。 イメージングプレートに記録されたX線の記録は、
レーザービーム⇒集光ガイド⇒光電子増倍管⇒増幅器⇒A/D変換器
の順に読み取られて画像出力される。
2.DSA ―――――――――log 変換器
DA、DSAともにTVカメラからの信号がそのままA/D変換器でピクセル値に変換されるが、DSAではサブトラクションを行うときlog変換処理が行われる。
その理由は、被写体の厚みによる影響をなくすためである。
3.I.I. DR ――――――――― CCD カメラ
I.I.DRは入力されたX線をCCD(電荷結合素子)カメラで電気信号に変化して、テレビモニタ上でリアルタイム画像を観察できる。
I.I.は、入力面(CsI)、光電陰極、集束電極、陽極及び出力面を真空内に構成したものです。
4.直接変換方式 FPD ―――― a – Se
直接変換方式FPDはa-Se(アモルファスセレン)が使われており、X線を直接、電子信号の情報に変換する。間接変換方式に比べるとボケが非常に少ない。
5.間接変換方式 FPD ――――a – Si
間接変換方式FPDはa-Si(アモルファスシリコン)が使われており、X線をシンチレータで光に変化してからフォトダイオードで電子信号に変換する。光の散乱が原因でボケが発生しやすい。
といったことまで、調べてからまてめてみると検出器や画像ができるまでを勉強でき、一つの問題から3つや4つ覚えることも可能な方法です。
最初は、思ったように解けず時間ばかりがかかると思いますが、きちんと覚えている方がテスト時に迷うことなく、時間に余裕をもつことができます。
ちなみに、ぼくは、自分で学習しているときに過去問を解いても、時間を気にしたことはありません。どうせ、時間内には終わらないからです。
一つ一つ丁寧にやることが重要なので、問題文や解答を写しても、結果的に効率は悪くなるでしょう。
学校の模試を活用する
過去問で、勉強していても必ずぶち当たるのが、自分がどこまで理解できているのか判断できないということです。
そして、それを試すのが自分の通っている学校が作成する国試対策の模試です。
これは、無作為に先生たちが作り、時間も測定して行うのでいい練習になります。
過去問と似た問題も出ると思いますが、そうでない問題のほうが重要です。
できるだけ、試験中に印象が残るくらい考えてみてください。
そして、試験の後に、自己採点を行い、上記の方法で確実に復習することで、正解していても間違えていても、精一杯考えた内容は忘れにくいものです。
そうやって、半年から1年くらい勉強すれば、模試の点数も上がり自信もつき、国家試験も怖くないはずです。
勉強は丁寧に工夫したほうができるようになります。
自分に合ったやり方を探してもいいかもしれません。