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核医学検査とは
SPECTやPETの二つの検査が該当する。X線を使う一般撮影やCT検査のように装置から放射線を人体に照射する検査ではなく、放射線を発する薬を体内に注射して、体内からでてくる放射線を計測し検査を行う。
検査の目的は、主に脳血流や心臓の血流、肺機能など臓器の機能を調べる検査とガンなど病気の存在事態を調べる検査になります。
検査によっては全身で行うため、検査時間は比較的長いです。
また、検査画像はCTやMRIと同じ断層像もありますが、はっきりと身体の形態がわかるような画像ではなく、ボンヤリしています。
ただ、最近はSPECT-CTやPET-CTのようにCT検査を同時に行い、形態検査と機能検査を同時行うことが主流になってきています。
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どうやって検査を受けるの?
検査目的によって異なりますが、検査の順序を端的に説明すると、
①放射性医薬品を体内に注射する。
②待ち時間がある場合は、別室で待機。(待ち時間がない場合もあります。)
③検査室に入り、装置寝台に寝る。(検査中は動かないよう気を付ける)
となります。
検査目的によっては、絶食や検査直前に排尿、下剤の服用が必要になりますので、検査担当者に説明を受けて、不明な点やわかりにくい点があれば、必ず質問をしたほうがいいです。
また、SPECT-CTとPET-CTのようにCT検査を同時に行う際は、呼吸の指示がマイクで入りますので、息を止めたりする必要があります。
どんな画像が見られるの?-SPECT画像-
CTやMRIに比べ、ボンヤリした画像になります。
人体や臓器のどこかを表しているのはわかるかもしれませんが、見慣れないとどうなっているのか理解しにくい分野かもしれません。
上図はSPECT検査。左から、
・骨シンチグラフィー
骨腫瘍や骨代謝疾患(骨折など)で骨代謝が活発に動いている部位に投与した薬が多く集まって、より黒く表示される検査。骨代謝を反映した画像が得られるのが特徴です。ガンの骨転移が疑われるときに多く行われます。子供の場合、骨の関節付近、成長線の部位にも多く薬が集まる傾向にあります。
・脳血流シンチグラフィー
脳血管障害の重症度判定や治療方針決定時に行われる検査です。脳血流が低下もしくは脳梗塞の場合には薬が集まりが悪くなります。上の図では、赤色ほど血流がよく、緑ほど血流が少ないことになりますが、正確な判定には健康な脳血流の例と比較することが多いです。
・心筋血流シンチグラフィー
心臓の血流状況を見る検査であり、心筋梗塞や心臓の冠動脈の狭窄による血流量の低下を調べることができます。検査時は安静時と運動後(負荷時)の2回を行うことが多く、二回の検査の血流状況を変化を比較することで、血流の低下を調べることが出来ます。
どんな画像が見られるの?-PET画像-
SPECTと似た画像ですが、PET検査は全身のガンの有無を調べる検査です。ガンに侵されている部位に投与した薬が集まります。
脳や腎臓・膀胱は薬が多く集まり黒く表示されていますが、正常です。
CT装置と組み合わせるとどんな利点があるの?
最近の核医学検査はSPECT-CTやPET-CTのようにCT検査と一緒になっていることが多いです。
その利点についてお話いたします。
①一度の 検査でCT検査も同時に行える。
核医学の検査とCT検査を同時に行うことで、診断能をアップさせます。
また、一度に二つの検査が終わるので、時間的に有効です。
②CT検査を組み合わせることで、検査精度を向上させる。
体内から放出される放射線は、体外に出てくるまでに通過する臓器に放射線が吸収されてしまい、過小評価されがちになります。この影響は体の深部からでてくる放射線ほど顕著に現れるので問題です。そこで、CT検査時のデータを組み合わせることで、補正をかけて、過小評価を防ぎます。
③CT検査画像と融合できる。
核医学検査は薬が集まっている部位はわかるが、その詳細は評価しにくい検査です。そのため、単独で行うと正常なのか異常なのか評価しにくことがあります。そこで、CT画像に重ねて表示することで、どこに薬が集まり、どれくらいの量が集まっているのか、より詳細な情報を得ることができます。
CTと組み合わせるデメリット
CTを組み合わせることで、検査精度は向上し、病気の検出率も向上しますが、当然デメリットもあります。
それは、一つの検査における被ばく線量の増加と検査時間の延長です。
通常の核医学検査単体でも、被ばく線量はCTやバリウム検査と同等ですが、CT検査を行う分、一回の検査での被ばく線量が多くなります。
ただ、検査の被ばくによる身体への影響は考えにくいです。
そして、検査時間も多くて5分程度の延長です。(長く感じる方は長いかもしれません。)