子どもの体調は変化しやすく、心配になることが多いです。
時には、病院に行くことも多いのではないでしょうか?
医師たちは子どもの診察に際して、被ばくのあるレントゲン検査を進めることはなるべく避けています。
ですが、触診や超音波検査など、色々な検査をしても分からない場合や骨折などは、やはりレントゲンが必要になります。
ただ、レントゲンを撮影するにしても、子どもたちは大人とは違い、動かないでといっても聞いてくれるわけもなく意思の疎通ができないこともあります。
特に、乳幼児となれば、普段と違った環境からか泣き出し抵抗されることもしばしばあります。
それでも、検査を行う場合にはどうやって検査をしているのかまとめてみたいと思います。
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乳児の場合(0~1歳)
こんな言い方をすると、ひどいかもしれませんが、このくらいにの歳の子であれば、抵抗されても問題がないことが多く、人手がありさえすれば検査が出来ます。
とは言っても、撮影するためには、体制を整えたり、撮影中に動かないように工夫する必要がありますので、紹介します。
➀固定具を使う
レントゲン撮影では、子どもの撮影手技を安全に的確に行うために固定具を使う場合があります。
固定具をネットで検索すると・・・
というものが紹介されていますが、こんなの使っている病院を見たことがありません。
確かに固定できるし、邪魔になる腕も挙げられているし、胸部レントゲンを撮るのは問題なさそうだけども・・・使う病院があるのか謎です。
使っている病院があったらぜひ教えていただきたいです。
では、実際にはどんなものが使われているのか?
うん!!これがよくみる撮影固定具です。起き上がった状態でも撮影できる優れものです。
使い方は、頭の位置を合わせ横から板ではさめておでこにはバンドをします。
そのあと、自転車のサドルのようなところにまたがらせるようにお尻の位置を合わせ起き上がった時にお座りができるようにします。
そのうえで、両手をバンザイしてもらい、関節部分をマジックテープで止めたら、身体全体を覆うようにネットで固定していきます。
最後に固定台の裏に、レントゲンフィルムをセットしたら完成です。
すると、びっくり!!
あたかも立っているような状態で撮影できるのです。
たまーに、網ネットが破れ、時に落ちてしまわないか不安になりますが、きちんと固定していれば落ちることはありません!!意外としっかり固定されています。
固定しているときは、それはもう凄いくらい泣かれますが、起き上がった時にびっくりするのか、泣き止むことも多いのです。その瞬間の赤ちゃんがかわいい。
ただ、撮影風景は、わかっていても衝撃的でドキドキするものなので、両親の見ている前ではやりづらいかもしれません。
ぼくも先輩と初めて使って撮影したときは、本当に大丈夫なのか不安でたまらなかったのをよく覚えています。
➁押さえながら撮影する
他には、シンプルな方法ですが、人の手で押さえながら撮影することもあります。
撮影台の中には、子どもを裏から押さえられるように、鉛の入った衝立がついているものがあるのです。
そこに医師や放射線技師、親のいずれかが入り、撮影の間だけ子どもには我慢してもらう方法です。
ただ、撮影中は泣かれるので、押さえるので精一杯になります。そのなかで、首まで押さえるのは難しいため、首が垂れてしまうような生後間もない子ではできません。
首すわりができるような生後4か月以降の子どもが望ましいでしょう。
今までは、胸部や腹部といった撮影の時に限りますが、四肢などの場合は、検査台に寝かせてその部位だけを押さえながら撮影します。
➂寝ている間に撮影する
最後は寝ているスキに撮影する方法です。
上記の2つの方法では、赤ちゃんたちは必ず泣きます。(本当に心が痛むことです。)
それに、寝ていても、途中で必ず起きてしまいます。
ですが、寝ている間に撮影しても問題ない部位(手や足など呼吸に影響されない部位)であれば、寝ている間に撮影することもあります。
赤ちゃんたちからしてみれば、知らないうちに検査が終わっているような感じです。
これは、一番楽な方法かもしれませんが、胸部や腹部など呼吸の状態が重要になる撮影では、上記2つの方法に劣るといえるでしょう。
➀・➁の方法は特に泣かれることが多いのです。しかし、胸部や腹部の撮影時では、泣くことで、呼吸がわかりやすくなるので、息を吸った時や息を吐いた時に合わせて撮影がしやすいというメリットもあります。(それでも、泣かれると暴れることもあるので恐いですが・・・)
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幼児の場合(1歳から小学生くらいまで)
身体が成長し、大きくなってくると、撮影が難しい時期がります。
それが、2~3歳を超えて力もついてくるような時期です。
このころになると、固定具についているネットを自分の力で破かれてしまうので、使用するのは危険です!!
固定具が使えないとなると、暴れられたら人の手で押さえるしかないのですが、それが通じるのも一時的です。
2~3歳であれば3~4人で押さえ撮影できるかもしれませんが、4~5歳もなると抵抗されると、もう検査どころではなくなってしまうのです。
実際、レントゲンを撮る一瞬だけとか色々考えるのですが、撮影中に身体をねじられてしまこともあり、画像自体がブレてしまい、とても診断できる画像とは言えないものができてしまいます。
結果的に、被ばくばかりがいたずらに増えてしまい、良くありません。
こんな場合は、技師や医師から説得するか両親になだめてもらいながら落ち着いてとこらで撮影するしかありません。両親のいずれかにも鉛エプロンを着てもらい、撮影室にいてもらうことになります。
それでもダメな場合は一旦検査は中止せざるおえません。寝ているときや、検査を別の機会に行うなど、相談して決めることになります。
撮影する側から見た注意点
子ども撮影は医師や放射線技師から見ても、ふとした瞬間に事故に繋がるため注意するポイントが多いといえます。
注意するポイント
➀検査は安全第一をモットーに
検査中、ケガをするような事故を起こしてしまっては本末転倒です。
検査自体を行うのが困難な場合は必ずあり、その決断をしなければならないこともあります。また、検査中は常に誰かが傍にいるようにしているはずです。
➁被ばく低減
子どもは大人よりも放射線に対する感受性が高いため、影響も大きくなります。
レントゲン撮影で影響がでることはほぼありませんが、大人よりX線量を少なくしても診療に十分な画質を得られるため、結果的に被ばくを抑え撮影することができます。
➂検査時間を短くする
大きくなれば検査に協力してくれる子もおおいですが、赤ちゃんなどはいつ動いてしまうかわかりませんし、長時間の検査に耐えられない子も多くいます。
息を止める時間を短くする、検査室にいる時間を短くするなど、検査に関わっていると思う時間を短くするなどの工夫をしています。
それ以外にも、状況に応じて、対応が必要です。
子どもの検査に置いて注意しすぎるということはありません。
親側も気になることがあれば、どんどん質問していいでしょう。
被ばく線量
子どもレントゲン撮影で一番心配になってくるのが被ばく線量だと思います。放射線技師会HPより紹介したいと思います。
最近はX線検出器の性能が上がっているため、被ばくが低減される傾向になりつつあります。
そして、世間の被ばくへの関心も高まっているためか、意識して被ばくを抑える技師も多くなっていると思われます。
以前よりもいっそう被ばく低減が進む環境が整っており、影響が出る可能性は、さらに低くなっているでしょう。