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核医学検査の3つのデータ収集方法の違いとは?

核医学検査は、体内に放射線医薬品を投与し、体内から発せられる放射線をカンマカメラやシンチカメラと呼ばれる検出器を使い、画像化する検査です。

 

ただ、その画像化やデータ収集方法は検査目的に合わせて使い分ける必要があります。

 

データ収集方法によってどのような違いがあり、どのような場合に使用されるのか今回は主に使用される3種類の収集についてまとめてみたいと思います。

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ダイナミック撮像とは?

ダイナミック撮像とは、放射線医薬品が投与されてから、体内での集積の変化を経時的に連続で撮像する方法です。薬剤の代謝機能を時間変化とともに評価できることが最大の利点です。

 

そのため、ダイナミック撮像では時間による収集カウント数をグラフ化した時間放射能曲線を描くのが一般的です。これにより、臓器機能を正常なのか、過剰に動いている状態なのか、はたまた、機能低下が起こっているのかなど判断することが可能です。

※適応例
脳血流シンチ、肝アシアロシンチ、腎シンチ・レノグラムなど

 

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プラナー撮像とは?

プラナー撮像とは、検出器を固定し、時間をかけて被写体の平面的な静止画を取得する方法です。長い時間をかけて撮像するため、他の撮像に比べ、高い分解能を持つ画像を得ることができます。

 

一方で、検出器を固定して撮像するため、1度の撮像では集積の奥行きを判断できないという欠点があります。この解決策としては、異なる角度でもう一度プラナー撮像を行うかSPECT撮像が有用です。

 

SPECT撮像とは?

SPECE撮像とは、検出器を180°から360°回転させ、データ収集を行った後に画像再構成にて、薬剤の体内分布を任意の断層像を得る方法です。体幹部の評価では、横断像、矢状断像、冠状断像の3断面で評価されます。

 

断像を得ることができるSPECT撮像は、プラナー撮像では得られない集積が体表面からどの程度、深い(体中心部)にあるのかという判断ができることです。また、集積が前と後ろで重なっている場合には2次元画像では1つの集積があるようにしか見えないことがありますが、断層像であれば前と後ろに1つずつ集積があるということを判断することが可能です。

 

※適応例
心筋血流シンチなど

まとめ

ダイナミック(dynamic)撮像 放射線医薬品(RI)の体内挙動を経時的に撮像する方法。収集で得た集積の変化を時間放射能曲線などを使用することで代謝機能を評価することができる。
SPECT撮像 検出器を円軌道や楕円軌道で回転させ、180°から360°のデータを得る方法。取得データから画像再構成を行うことで断層像を得ることが出来る。体内深部の薬剤分布情報を得ることができる。
プラナー(planar)撮像 検出器を固定した状態で、平面静止画像を得る方法。時間をかけて撮像を行うため、画素サイズを小さくし、高分解能画像を得ることが可能。