MRI装置では、高磁場の磁石が使用されています。
ただ、高磁場な装置とは安易に設置できるものではありません。その磁場による影響が外に出ないように遮蔽されること、さらに、外界に存在している磁場によって撮影が影響されることがないように磁場の遮へいが必要になります。
今回は、その磁場遮へいについてまとめたいと思います。
スポンサーリンク
磁場遮へいの必要性とは?
MRI装置で、良好な画像を得るためには、その撮影領域置ける安定した磁場強度が必要になるのです。言い換えれば、一定の磁力(磁場環境)が装置内だけに存在し、その磁場環境の変化に撮影における情報収集に使用されることが望ましいといえます。
しかし、磁石から放出される磁場には、当然ですが意思などありませんので外へ外へと徐々に弱まりながら広がる一方になります。本来は、装置内でだけで留まっていて欲しい磁場が装置環境の境界を超えて拡散してしまっているのです。
このことは、撮影される画像には悪影響となり、画質の劣化へと繋がります。つまり、磁場を遮へいし、その環境を限定させることは良好な画質を得るためには必要不可欠であるともいえるのです。
例えるのであれば、農作物の間引きといった感じでしょうか。土から得られる栄養は限られており、その栄養を多くの実に振り分けるのではなく、数の限られた実にだけ与えることで、豊富な栄養を得られ育つことができます。結果、収穫できる量は減りますが、より味の美味しい実を食べることができるようになります。
では、磁場の遮へいとはどのように行われているのでしょうか。
その方法は、大きくわけて2つです。
それが、パッシブシールディングとアクティブシールディングであり、以下にそれぞれを簡単にまとめたいと思います。
スポンサーリンク
パッシブシールディングとは?
鉄のような物質を利用し、磁場を遮蔽することです。
どういうことか。
磁石から発せられる磁力線は、空気中に広がっていきますが、空気とはうまく磁気を伝えることができません。反対に、磁力線は鉄のようなものに惹かれる性質をもっており、鉄の磁気を非常によく伝導させることができます。
そこで、磁石の周りに鉄を置くことで、磁力線は鉄の方向へと向かい、その内部で集中させることができます。その結果、磁場を撮影領域にだけ閉じ込める(遮へいする)ことができるようになるのです。
これに対し、パッシブシールディングを発展させたものがアクティブシールディングになります。
アクティブシールディングとは?
アクティブシールディングとは、パッシブシールディングを下地に、いくつかの追加のコイルを装置に取り付けたものを言います。
追加されたコイルは、それぞれに磁場を形成し、スキャンの外側にある磁場を遮蔽することができます。
つまり、装置から発せられている内側からの磁場の広がりを防ぐのと同時に、外部環境に存在している邪魔な磁場からの影響を減らしているのです。
そうやって、撮影に必要な安定した磁場環境を作り出し、元々の画質を高めていることになります。