グレーデル効果とは?

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X線撮影を行う上で把握する必要があるのは、どうような環境でX線が減弱するのかどうかということです。

 

今回はその一つであるグレーデル効果についてまとめてみたいと思います。

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グレーデル効果とは?

空気中のX線減弱現象を表現する用語のことであり、X線による撮影時にのみ使用されます言葉です。

 

X線は空気中を進むうえ上でも、減弱しています。それは、距離が遠くなればなるほど、顕著に見られ、具体的な値で示すと距離の逆二乗に比例して減弱するといわれています。

 

具体的に言うと、距離を2倍にすればX線は4倍減弱し、距離を3倍にすればX線は9倍も減弱するということです。

 

この空気中によるX線減弱効果のことをグレーデル効果と呼びます。そして、グレーデル効果を利用して被写体から発生する散乱線除去法をグレーデル法、またはエアーギャップ法という方法名として呼ばれています。

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どうような時に考える必要があるの?

これは、具体的な例を考えることとしましょう。

・被写体に届くまでの間

X線から発生したX線は被写体に届くまでにも空気中を進むことになります。この間にも、X線は減弱しているのです。

 

X線管から発生するX線は色々なエネルギーが混じった連続X線と呼ばれるものです。設定された管電圧にもよりますが、低いエネルギーから高いエネルギーのX線が含まれることになります。

 

照射されたX線は空気中を進む間に減弱しますので、減弱しやすい低エネルギーX線ほど減弱していくことになります。そのため、X線管-被写体間の距離が大きくなるほど、被写体に届くX線は照射されたばかりのX線に比べ、低エネルギーX線が除去されることにより相対的に高エネルギーX線となるのです。

 

X線エネルギーが高くなるほど、画像コントラストが低下するので、コントラストが必要な撮影の場合や、高エネルギーが必要でない撮影では、X線管‐被写体間距離を近づける必要があります。

・散乱線除去に利用する場合

X線は被写体内に入射すると、一部のX線が物質に衝突したことで方向を変えることがあります。この方向が変化したX線が散乱線と呼ばれるものです。

 

散乱線は、照射する範囲が広いほど、被写体が大きいほど(体厚が大きい)、X線のエネルギーが高いほど(管電圧が大きいほど)発生しやすく、フィルムに入射する散乱線が多いほど画質の劣化させます。

 

そのため、散乱線はできる限り取り除く必要があるのです。

 

そこで、グレーデル法の出番です。グレーデル法は被写体‐フィルム間距離を15~20cm離すことで被写体で発生した散乱線がフィルムに入る前に空気の層で減弱させ除去する方法です。

 

ただ、この方法は一つ注意が必要です。

 

確かにグレーデル法では、散乱線を除去することでき、画像コントラストの改善に寄与します。がしかし、被写体-フィルム間を話すために投影像が拡大し、拡大に伴う画像ボケが発生するのです。(鮮鋭度が劣化するとも言います。)

 

そのため、散乱線の影響をなくすために被写体-フィルム間距離を離しすぎると、逆に画質の劣化を起こすことを知っておく必要があります。

 

撮影寝台を使うと・・・

実は、グレーデル効果は撮影寝台を使った撮影では必ず起こるのです。

 

上のような撮影台でも、撮影台とフィルムの間には少ないながらも約5㎝(装置によって異なりますが)ほどの距離があります。

 

当然、この間にも空気の層が存在し、X線が通過する際には減弱が起こるのです。弱い散乱線であれば、除去する効果があるのです。

 

あまり考慮する人はいないようですが、撮影台を使用した撮影には、必ずグレーデル効果が少なからず起こっているということは認識する必要があるようです。

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