パントモ撮影とは、歯科用のX線画像のことで、歯全体、顎全体、鼻腔を1枚の断層写真として撮影したものをいいます。歯や歯肉など組織を含めた全体の様子と上下の顎の関節を観察することが目的に行われる検査です。
どういったもので、どうやって受けるものなのかまとめてみたいと思います。
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どんな撮影なの?
パントモ撮影は断層撮影と言われていますが、見た目はCTのような輪切り写真ではなく、一般的なレントゲン画像といったところです。
ただ、ここで少しだけ考えていただきたいのですが、人の歯とは前歯もあれば奥歯もあります。つまり、正面から見ると前と奥にある歯が重なって見えてしまうのです。
これは通常のレントゲンを撮影した場合でも同じであり、それでは歯の状態を観察したく行う検査にも関わらず、一部の歯しか見えない上に、歯同士が重なって画像に映しだされているため、一枚の写真では前なのか後なのか判断が困難となってしまうのです。
そこで、パノラマ写真のような撮影を行います。
現在では、iphoneでもパノラマ写真が撮影できるようになりましたが、撮影する範囲をゆっくりと動かして通常の撮影では一枚に収まり切らない範囲でも、一枚に収めて撮影してしまうという撮影法です。
この撮影法をX線でも行っているのがパントモ撮影です。
具体的にいうと少し難しくなるのですが・・・
略円形状に並んだ歯の中心を軸として回転するアームの先端に、X線管とフィルムを対向して配置し、X線管とフィルムの前にあるスリットを通して、X線を被写体に照射しながら回転させます。このときにフィルムをこの走査速度に合わせて移動させることで、被写体の特定の面とフィルム面との線速度が一致する面を断層面として撮影するのです。
難しくなってしまったので、単純にいいます。
人の歯って上から見ると、半円状に並んでいますよね?!
この歯の形に合わせて、X線を発生させる機械とフィルムを一緒にグルーっと回しながら少しずつ撮影し、最終的には歯全体を一枚の画像に表現するのです。
すると・・・こんな写真が出来上がるというわけです。
こんなことを下のような装置で行います。
検査時間は約3~5分で立位もしくは座位で撮影することになります。
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撮影時の注意点
X線の検査と言えば、お決まりなのかもしれませんが注意点があります。
➀入歯、ピアス、イアリング、ネックレス、ピン留めが画像に影響すること。
➁撮影中に装置が回るが、それが患者さんの肩にあたる場合がある。(その場合動いてしまい、画像がブレる可能性があり。)
➂顎の上げすぎ下げすぎで画像に影響がでてしまう。
例として・・・