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血管造影検査の方法とは?

最も詳細な血管情報が得られる検査は血管造影検査です。

血管造影には動脈(動脈造影)の検査と静脈(静脈造影)の検査があります。

この血管造影には、血管内にカテーテルを挿入する必要があるのですが、今ではSeldinger法が主流になっています。

今回は、その方法についてまとめてみました。

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Seldinger法とは?

さっそくですが、Seldinger法の手順とはどんなものなのでしょうか?

 

まず、カテーテルを挿入する動脈部位を決定します。なるべく拍動が触れられる部位を選びます。
拍動が触れる触れないはとても重要であり、拍動が触れないということは、血管が閉塞している、あるいはその部位から血管造影検査はできないことを示しているのです。

 

カテーテルの挿入部位として、いくつかの理由により、鼠蹊部の大腿動脈がよく選択されています。

 

穿刺部位を決定後、動脈周囲の組織および皮膚に局所麻酔をしてから、皮膚を小さく切開してます。

 

その後、針で動脈を穿刺します。針が動脈にささり、血液が針から逆流すれば、針先端が血管の内腔にあるということを判断できます。

 

次に、ガイドワイヤーと呼ばれる特殊な針金を針に通して血管内に挿入します。それから、片方の手の指で穿刺部を圧迫しながら針を血管内から抜きます。穿刺針がワイヤーより太いため、ワイヤーの経路に沿って出血しないように穿刺部を圧迫する必要があるのです。

 

次に、挿入するカテーテルをワイヤーに被せて血管内に進めます。そして、ガイドワイヤーを抜去し、カテーテルの端を活栓で閉じて、血液が逆流しないようにします。

カテーテルを交換したい場合、同じような手順をとります。

 

少なくまとめると、カテーテルを通してガイドワイヤーを挿入します。ガイドワイヤーのみ血管内に残し、カテーテルを抜去します。次にガイドワイヤーを被せて、新しいカテーテルを挿入します。

出典:www.suggestkeyword.com

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血管造影器具とは?

ガイドワイヤーは一本のワイヤーではなく、非常に精巧な構造をしています。

 

中心となるワイヤーの周囲に別のワイヤーがしっかりとらせん状に巻かれてモノが主流になっています。

 

一部のガイドワイヤーでは先端部を柔らかくするため、内側のワイヤーがらせん状のワイヤーから引き出されています。

こんな形をしているため、J型とも呼ばれているようです。

 

ワイヤーは血管壁など構造を損傷しないように先端部が曲がっています。

出典:terumo.clinicalsupply.co.jp

カテーテルの基本事項

➀カテーテルの外径は、F(フレンチ)という単位を使われています。1F=1/3mmです。

➁カテーテルは太いほど操作しやすく、先端部は手先での動きに追従します。

➂カテーテルの外径は大きいほど、血管に大きな穴を開ける必要がる。

➃カテーテルの内径を大きくすると、注入できる造影剤の単位時間当たりの量と流量を増やすことができる。

➄カテーテルによって操作が異なる。

バルーンとは?

カテーテルに加え、インターベンショナルラジオロジーに用いられるバルーンカテーテルというのがあるので、ついでに紹介します。

 

このカテーテルには、先端部にバルーン(風船みたいなもの)が取り付けられています。

 

バルーンの両端部分には、金属製のマーカーが付けられており、X線にも写るようになっています。

 

バルーンは液体を中に入れて、拡張することができ、完全に拡張したときに一定の最大径まで拡張します。それ以上、膨らませても、バルーン径は大きくならず、最終的には破裂します。

 

このバルーンカテーテルは血管や堅い構造物を拡張するために使われています。

出典:terumo.clinicalsupply.co.jp

血管造影に戻ると・・・

下肢の血管造影検査を施行する場合、せんたくてきに下肢の血管にカテーテルを留置する必要はありません。

 

下肢に血液を供給する大きな血管いカテーテルを留置し、造影剤をそこから注入。血管を通して、目的とする血管に造影剤を到達させればいいということになります。

 

広い範囲の血管走行の概略を知りたいような検査を行う場合は、大動脈などの大きな血管にカテーテルを留置すれば、カテーテルから流出する造影剤によって分岐する血管を見ることができます。
ただ、特定な血管の検査を行う場合には、カテーテルを細い血管に直接挿入して検査を行う必要があります。

 

検査終了後は?

検査を終了したら、カテーテルは抜去します。

 

動脈に穴を開けているため、出血が止まるまで、穿刺部を約10分間圧迫する必要があります。その後、圧迫ようの包帯を穿刺部に圧迫します。

 

患者さんにはベッドでしばらく寝てもらい、穴が完全に閉鎖することを確認する必要があります。