毎年のように出題されるIVR画像。対策をしていないと、見慣れないため解答時に悩むことが多いように感じます。特にIVR画像は、DSA画像、つまり骨が無い画像のことが多く、血管だけの画像が出題されることになります。
といっても、明らかに出題される頻度が高いのが、頭部血管と出血病変に対する止血処置画像といったものです。なので、その辺を中心にまとめてみたいと思います。
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頭部血管画像
頭部血管は最も出題頻度が高いため、解剖名だけでも必ず覚えておいた方がいいでしょう。
内頸動脈を造影することが多いので、その画像しか出題されないでしょう。正面と側面画像の両方を押さえておけば、これまでの問題には対応できるようです。
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動脈塞栓術
次に出題頻度の高い、動脈塞栓術です。動脈塞栓術とは、カテーテルを動脈の中に入れて、血の流れを止めることです。実際に、国家試験で出題されるのは、一般的に行われることが多い、肝臓に関する画像が多いようです。
下の画像が、動脈塞栓術に該当する処置だということがわかれば、正解にはたどりつけるでしょう。
ということで、肝動脈塞栓術について少しだけ復習したいと思います。
・肝動脈塞栓術とは?
肝臓という臓器は、門脈と肝動脈という二つの血管から栄養を貰っています。その割合は、門脈80%、肝動脈20%です。つまり、肝臓という臓器で最も大事な血管は、門脈ということになります。
一方、肝細胞がんなど肝臓にできる癌は、肝動脈に栄養を貰って成長する性質を持っています。ならば、肝動脈をとめてしまえば、肝臓がんは栄養のもらいさきがなくなり成長できなくなるのです。がんを餓死させるわけです。よく『兵糧攻め』と例えられます。
肝動脈を止めることで、正常な肝臓にも少しダメージを与えることになりますが、門脈があれば大丈夫だとも言えます。
では、塞栓術はどうやって行うのか?
塞栓術は、足の動脈からカテーテルを入れて行います。
肝臓がんに栄養を与えている、肝動脈を造影剤を流しながら見つけたら、抗がん剤を注入し癌を集中的に攻撃します。さらに、肝動脈に詰め物をして血流を止めてしまう方法が主流になっています。
この肝動脈塞栓術は、肝動脈に抗がん剤注入と塞栓するTACE:Transcatheter Arterial Chemo-Embolization(肝動脈化学塞栓療法)と抗がん剤を使わないで動脈塞栓だけを行う、TAE:Transcatheter Arterial Embolization(肝動脈塞栓療法)と分けられています。
ちなみに・・・
最近では、UAE:uterus Arterial Embolization(子宮動脈塞栓術)というのも、子宮筋腫の治療に行われているようです。
そのX線画像は・・・
参考までに。
選択肢になる処置画像
あとは、参考までに選択肢によく出る名前の画像を載せてみたいと思います。
・動脈瘤に対するステント留置術
・経皮的冠動脈形成術:PTCA
狭くなった冠動脈を血管の内側から広げる治療。経皮的冠動脈インターベーション(PCI)とも呼ばれています。血管拡張術の一つです。