レントゲン画像とCT画像はどちらもX線を照射して作られるものですが、知られて以上の違いが多くあるのでまとめみたいと思います。
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2次元と3次元の違い
まずは、みなさんも知っているような基本的なことからですが、
レントゲン画像は、2次元的な画像であり、体の前後が重なって表現されます。
そのため、レントゲン画像には、X線が透過してきた情報が全て表現されてはいますが、骨と重なるように存在する病気がわかりにくいのが欠点です。
しかし、一度のX線の照射で、胸全体やお腹全体と広い範囲を写すことができるため、一枚の画像に表現される情報量は多いといえます。
一方、CT画像は断層画像です。輪切り画像としても知られています。
一回のCT検査では、何百枚という画像を得られるように、一枚の断層画像は身体の5mmほどしか表現していません。
が、体内の様子を輪切りにされているため、3次元的に理解することが出来ます。レントゲン画像のように骨の裏に隠れている病気だって見つけることが出来るのです。
一枚の画像という視点で見れば、レントゲン画像のほうが情報を多く含んでいますが、一回の検査で得られる情報量でいえば、圧倒的にCT画像のほうが優れているといえます。
胸部画像で比べれると、約4倍ほど病気の発見率が違うとも言われています。
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撮影法の違い
胸のレントゲンを撮影するときを思い出してほしいのですが、レントゲン画像は、フィルムに身体を密着させて、離れたところからX線を照射し撮影されます。
CTは、寝台と呼ばれる検査用のベットに寝た状態で、ドーム状の装置内を移動し、X線を身体の周りを回転させながら照射し、撮影します。
画像の成り立ちの違い
レントゲン画像は、体を透過してきたX線を検出器で受け取って、その過多によって白黒を表現します。
そして、身体を透過したX線量が多くなれば黒くなり、透過したX線量が少なければ白いといったように画像上で表現されることになるのです。
CT画像は、色々な角度から照射され透過したX線を検出し、データを収集します。さらに、収集されたデータを逆投影法という手法で画像化します。簡単にいうと、収集したデータをコンピュータ処理して画像化しているのです。
また、画像濃度もX線量の過多によって決まることはレントゲン画像と同じですが、CT画像にはCT値というものがあります。
CT値とは、水に比べてX線の吸収のしやすさを相対的に表現したものです。
具体的なものでいえば、水の値を0として、水よりX線の吸収が少ない空気は-1000、水よりX線吸収の多い骨を+1000といったように、CT画像は水との相対評価によって表現されているのです。
CT値は、脂肪肝や心臓の冠動脈の石灰化など、様々な病気リスクの診断の指標になっています。
被ばくの違い
レントゲン画像は一方向からしかX線を照射しないのに対して、CT画像はあらゆる方向から何度にも渡って、X線が照射されて作られます。
そのため、CT検査のほうが、圧倒的に被ばく線量が多いと言われています。
妊婦さんや子どもへのCT検査が避けられる理由にもなっていますし、欧米では、その被ばく線量の多さからCT検査を定期的に行うことすら、避けられています。