最近、面検出器CTという売り文句を良く見ることはないでしょうか?!
一度に広い範囲を撮影できるだの、臓器を一回転で撮影できるだの、メリットが多いのがわかるが、専門家でもなければ、どう違うのか理解しくいようにも思えます。
なので、面検出器とはなにか?
という一点に集約してお話したいと思います。
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面検出器とは?
もし、ぼくが「面検出器ってなんなの?」って突然聞かれたら、どう答えるか迷うところはありますが、まずこう答えるでしょう。
【一回転の撮影で広い範囲を撮影できるのが面検出器です!!】
と、自分がこれを聞いても頭には【?】が浮かぶほどに、わかりにくいのですが、
一回転で広い範囲という点が伝わるのが一番重要な気がします。
そもそも、CT検査とは、患者さんの体の周りを回転しながら撮影するものです。
ただ、これまで主流に使われていた多列検出器では、一回転あたり撮影できる範囲は3.2㎝~4.0㎝が精一杯でした。
それだけ、撮れれば十分だった時代もあるかもしれませんが、良く考えてください!!
人の身長って大人でいえば、男性なら170㎝近くあるし、女性でも150㎝後半が平均的で体幹部だけ撮影するにしても、100㎝近くある考えれると、一回転で4㎝しか撮影できない装置であれば、最低25回くらいは連続で撮影しなければ、体幹部を全体を撮影できないということになります。
ということは、検査時間が長くなることに繋がることになります。
一方、面検出器とは、現在ある装置でいえば、一回転で16㎝撮影できます。
なんと一気に、4倍も広くなったのです!!
こうなると、検査時間も短縮できて、患者さんも楽になるますよね。
そして、一回転で撮影できる範囲が、面と呼べるほど広いものになったCTを面検出器CTと呼ぶのです。
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多列検出器と面検出器は違うの?
上のように説明すると、誤解されるかもしれませんが、多列検出器と面検出器は同じものといえます。
多列検出器とは、X線を検出する検出器を沢山並べたものを言います。
これまでは、4列から64列といったものが主流でした。
これに関しては、面検出器も同様で、検出器を沢山並べたものです。
ただ、256列や320列といったように、今までには技術的に難しかった数を並べ、面といえるほど広い範囲に配置したものを面検出器と呼ぶようになったのです。
どんなことができるの?
面検出器が凄いと言われ、需要が高まる理由には、
一回転で一つの臓器を撮影できるということにあります。
主流であった64列検出器では、頭部や心臓を撮影するのに、ヘリカルスキャンという方法が使われていました。
ヘリカルスキャンは、広い撮影範囲を短時間で撮影したいという、以前の願いを叶えた方法だったのは間違いないのですが、一つの臓器を何回かに分けて撮影するため、常に動く心臓や腸などを撮影すると、上と下で撮影したときのタイムラグが生じてしまい、臓器が階段状描出されるなどの弊害がありました。
特に、心臓は比較的動きが早い臓器なので、画像に段差みたいなものが見えることがしばしばありました。
この画像の段差は、診断にも影響することが多く、突然血管が切れて観察されてしまったり、臓器が繋がっていないようにみえていたのです。
それに対して、面検出器は、16㎝を一回転で撮影できるため、上で困っていたような段差のある画像というものがなくなりました。
面検出器なって、できるようになったことがもう一つあります。
それは、動態的なCT検査(4D)ができるようになったことです。
例えば、頭部血管の検査では、動脈から静脈までの血流状態を動画のように撮影できるようになったのです。
まとめると・・・
簡単に言うと、面検出器とは、
・幅広い検出器のこと
・撮影時間が短くできる
・臓器を一回転で撮影できる
・動態的な撮影ができる
という、特徴をもった検査機器であるということになるのです。