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診療放射線技師という職業について考えてみた

一般的にはレントゲン技師やエックス線技師といったほうが伝わりやすいのが残念な職業名の診療放射線技師。

病院や企業など活躍の場は広いのだが、まだマイナー感が否めない職業です。

 

一応、国家資格をもち、平均年収も514万円といわれ、一見、悪くない、むしろ安泰な職業のように思えるが実際はどうなのか考えてみました。

今後、医療職を目指しているが、どの職種にするか迷っている人は参考いただけると幸いです。

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そもそも診療放射線技師とは?

医師や歯科医師の指示のもとに、人体に放射線を照射する業務を行う人をいいます。

具体的には、レントゲン撮影やCT,MRI、SPECT,PETなど様々な機器を使う病気の診断に必要な画像撮影したり、がん細胞に対する放射線治療も仕事に含まれています。

 

病院や診療所で働く人がほとんどですが、他にも放射線の専門家として、医療機器メーカーや研究所で働いている人もいるので、幅広い就職先があります。

勤務時間は、比較的規則的正しいですが、救急対応病院や大学病院では、休日出勤や夜勤業務もあります。
また、医療機器メーカーでは、勤務時間が安定しません。

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診療放射線技師になるには?

診療放射線技師になるには、国家資格が必要です。
国家試験を受けるためには、文部科学大臣が指定する大学や短期大学か、厚生労働大臣が指定する専門学校などの診療放射線技師養成所(3年以上)で学ぶ必要があります。

 

ちなみに第67回の国家試験の合格率は全体で73.8%でしたが、例年70%前後が全体の合格率のようです。

真実の診療放射線技師

とここまでは、ネット調べれば簡単に出てくる範囲で、

総合すると、診療放射線技師は・・・

【病院で一生安泰に働ける職業!!】

と考えられて、とても魅力的ですよね。

でも、ここからは、この職種にはいくつかの罠が潜んでいるのです。

 

平均年収のウソ!

診療放射線技師の平均年収は男性546万円、女性454万円という調査がありますが、この現状はこれから下がるのではというのが大方の予想です。

 

なぜなら、現在の平均年収を支えているのは、今の50~60歳代であり、この人たちが引退していくことで、本当の平均年収にとって代わると思われるからです。

 

以前の放射線技師と言えば、放射線という危険なものを取り扱う反面、仕事の内容の割に年収がよく、一般の方より医学知識に優れ、社会的にも安泰を約束された職種でした。

 

実際に、現50~60歳代にかけて、3年の専門学校を卒業して、国家試験を取得すれば、20代から定時で帰宅できる生活が待っており、収入に満足がいかなければ、資格を活かした割の良いバイトが沢山あり、本業とバイトを掛け持ちすれば、年収1000万円という大台に届く人も少なくなかったのです。

 

そのためか、年収の高い職種としてもひそかに有名だったのだと思います。

 

しかし、現20~30代の若い技師たちはどうかというと。

 

不況の影響や仕事内容の簡略化(装置が発展して検査性能は上がると同時に検査を行うのも楽になることもあり)による本給の減額やバイト求人数の減少など50~60歳代の方々が得てきた、最大の利点をなくされてしまっているのです。

 

もっと言えば、バイト求人数は減少しているといいましたが、残っているバイトは今まで地位を築いてきた50~60歳代の方々が自分の年収のために離さないため、若い技師たちに回ってくるバイト数は限られたもんです。

 

またひどい方になれば、在籍していれば定額の給料がもらえれる本職場を休み、時給制のバイトに働きにいく人も多かったようです。

結果、見かねた同年代の上司たちが、職場でバイトが禁止するケースもあり、バイトの恩恵を得られない若い技師たちも少なくありません。

 

若い技師たちにとってみれば、「おいおい!おまえたちが撒いた種の責任をなぜ下が負う必要があるんだっ!!?」といった感じにもなります。

日本の借金同様、昔の負債を若者が背負うことに抵抗がないのかと思われます。

 

つまり、診療放射線技師の収入の高さは、バイトに支えられていた面が大きく、バイト求人数が多かった以前のものです。その恩恵に預かってきたのは現50~60代若しくはその近い年代の技師がほとんどで、若い技師でできるのは少なくなく、現40代の技師でも職場によっては、年収400万円台というのも珍しくありません。普通のサラリーマンをしていたほうが、収入はいいのかもしれません。

 

診療放射線技師間でも収入格差はとてつもないものがあるのです。

 

診療放射線技師の平均年収514万円?
この年収に届いている技師は、果たしてどれくらいいるのか?!

 

疑問が残ります。

 

 

国家資格は就職が楽!!・・・のウソ!

国家資格、特に医療系の国家資格は就職に困らない!有利な職業だ!!

 

というイメージはないでしょうか?

 

確かに、大学4年時には、あらゆる病院から求人が学校に届きますし、国家試験さえ合格すれば、就職率はほぼ100%なので、こういわれてもおかしくはありません。
就職先が決まらないという不安を抱えにくい点では、一般的な大学生よりは就職活動時に使う労力は少ないといえるでしょう。

 

が、しかし、行きたい病院に行けるかは別問題です。

 

どんな業界でもそうだと思いますが、優秀な人材がほしいと願うもので、卒業生の評判が良かった、偏差値が高い学生が集まっていると言われる大学に多く求人が集まる傾向にあります。

 

つまり、目指す病院に行けるかは、自分が通っている学校に病院側から求人が来るかによって決まるところが大きいということです。

 

さらに、最近の大学病院などの大病院に特に多い傾向なのが、非正規職員採用です。

せっかく、国家試験を合格して、就職できたと思っても、最長5年という有期職員で採用されるという不安を抱えて就職することになります。非正規職員と言われると、仕事内容は軽いものを想像する方もいるかもしれませんが、正規職員と全く同じ業務内容を課せられることがほとんどです。

そして、その業務内容も常に評価され、正規職員よりも失敗に対して厳しい評価をされることも珍しくありません。このような暗黒時代ともいえる、辛い5年の間かその後に正規職員になれる人もいますが、半数が残れればいいほうです。

その後、別の就職先が簡単に決まればいいのですが、診療放射線技師の業務内容は、病院間でも異なる点が多いため、他の病院のやり方に染まった人より、新卒の職員を好む傾向にあるため、次もなかなか見つかりません。
もし見つかっても、求める条件より低い条件で働くことも珍しくないでしょう。

 

就職困難といえば、嘘になるかもしれませんが、就職後もこれからの就職先に不安を感じる放射線技師は多いのも事実です。

医師や歯科医師の指示の元のネック

長年経験を積んだ、放射線技師が勘違いしやすいのは、自分を医師かなにかと勘違いしてしまうことです。

 

診療放射線技師は仕事の性質上、様々な検査画像を見ることになります。

 

すると、勉強次第では、画像を理解し、病気に対する評価ができるようにもなります。

 

しかし、現在の診療放射線技師は画像読影の補助は認められていても、診断を下すことはできない存在なのです。

 

そもそも、読影の補助を認められる前から、医師に向かって、治療方針を文句したり、診断を押し付けるような発言をする技師は多いです。

 

結果的に態度ばかりが大きくなると、「なんでオレがあんな医師の言うこと聞かなければならないんだ!」とか平気でいう人もでてくるのです。

 

本来、自分ができないこと、責任を取らないことに関して偉そうにいう技師は多いです。

 

医師も人間なので、間違えそうになることはあり、それを指摘することはありますが、チームとしての協力の意味でお互いを助け合って、医療は成立するものです。

 

もし、自分より若い医師に対して、いうことが聞けない、文句ばかり返すことになれば、診療放射線技師の仕事に不満を感じやすくなるでしょう。

診療放射線技師の弱点!!

診療放射線技師は、医師や看護師と違い、急変する人が街中にいてもなにも対処することができません。

実は、技術は持っているのにやらないだけと思うかもしれないが、そうではない!!実際に何も出来ないのです。
ただ、出来ることと言えば、落ち着いて救急車を呼ぶことだけです。医療に関わりのない人とあまり大差ないでしょう。

 

ただ、これには、言い訳というか理由もあるのです。

 

診療放射線技師の養成学校では、以下に挙げるような科目を学ぶのですが、放射線の専門家として教育が大半を占めているのです。

 

※放射化学、診療画像機器学、診療画像検査学、核医学検査技術学、放射線治療技術学、医用画像情報学、基礎医学大要、放射線生物学、放射線物理学、医用工学、放射線計測学、エックス線撮影技術学、画像工学、放射線安全管理学

 

つまり、大学の4年間の間に、医学に関することは、解剖学や生理学など基礎知識と放射線検査画像の読み方だけといえます。

 

そのため、卒業後、病院に就職する人材が多いのに関わらず、病気や治療法、薬剤など、医学知識に乏しく、その技術に関してもわからないことだらけです。

 

知識だけなら、就職後、必要に応じて勉強していけば、覚えることはできますが、治療や処置を行うことはないので、検査技術以外のスキルは向上することはありません。

 

しかし、これに関しては悪いことだけとは思いません。

 

これは、言い方を変えれば、放射線機器の管理と診断に有用な画像を提供するのが、診療放射線技師の仕事を高めることが患者さんの病気をより早く発見し、詳細な情報を治療のために提供できるからです。

 

急変時の処置や注射、治療など、医療での花形のような仕事は確かにできませんが、それは、医師や看護師が必ずいるので、役割分担することで一つ一つの専門性が増し、よりよい医療が提供できるようになるだと思います。

 

まとめ

少し、まとめると診療放射線は、病気の診断に欠かせない放射線検査を行う、欠かせない立場ですが、年収や就職に関しては期待通りにいかないことが多いです。

そして、治療に関する処置はできませんが、検査に関するプロになれば、医者にも感謝されるし、患者さんのタメにもなって、よりよい医療を提供できる一役を担うポストである。