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MRI:グラディエントエコーシーケンスと磁化率の関係とは?

MRI:グラディエントエコーシーケンスと磁化率の関係とは?

グラディエントエコーシーケンスでは、スピンエコーシーケンスのように180°RFパルスを使わないために、磁場の不均一や磁化率といった様々な要因によって画質を乱される場合があります。

 

今回は、グラディエントエコーシーケンスの特徴のひとつである技家率の感受性についてまとめてみたいと思います。

磁化率とは?

グラディエントエコーシーケンスにおける磁化率の影響を知る前に、まず、磁化率とはなにかについてまとめたいと思います。

 

磁化率とは、物質の特徴のひとつです。

 

物質が磁場中に置かれたとき、どの程度磁化されるかを表しています。簡単に考えるのであれば、鉄が磁石にくっつくような性質のことです。磁石に簡単にくっつく鉄は磁化率が高い物質であるといえ、磁石にまったくくっつかないし、引き寄せられもしないゴムなどは、磁化率の低い物質であるといえます。

 

ただ、外部の磁場によって受ける影響であるということを知っておく必要があります。

 

基本的にはこの性質が、外部磁場強度の局所的で小さな新しい磁場変化を生じさせ、食所的に磁場を加えたり減らしたりするといったことが起こるためMRI検査ではとても重要な性質であるといえます。

 

物質の磁化率のタイプは様々なカテゴリーによって分類され、磁化のしやすさを表現しています。

 

大きく分けて、4つです。

・反磁性体

物質の内部で、外部磁場と反対方向に誘起された磁場が発生させ、その結果、局所的な磁場強度を減らすものをいいます。

この反磁性効果は通常とても小さいものです。

・常磁性体

物質の内部で外部磁場と同じ向きの誘導磁場を発生させ、その結果、局所的な磁場強度を増やすものをいいます。

物質は通常、その電子軌道上に不対電子でを持っているため、反磁性とは違って常磁性体の影響は非常に広い範囲及びます。

MRI用造影剤に使用されているガドリニウムがが、ここに分類されます。

・超常磁性体

超常磁性体の中には、同じ向きを持った磁化が集まった小さな領域を意味する磁区という原子の集合を含んでいます。

そのような物質は強力な”常磁性体”効果、すなわち外部磁場方向と平行に強力な磁場をもたらします。つまり、常磁性と反磁性は、単一原子もしくは分子の性質に根本的に関係していますが、超常磁性への影響は、磁区で結合した原子の集合であるのです。

・強磁性体

超常磁性体よりもさらに強い磁性効果を示すものです。

強磁性体はたくさんの磁区から構成されているため、外部磁場がない環境であっても物質の磁化が保たれているのが特徴です。

磁化率の画像への影響とは?

それでは、なぜこの磁化率が画像に影響を与える因子となるのでしょうか。

 

物質の歳差運動の周波数は、磁場強度によって決まります。

ω=γB₀

γ:磁気回転比 B₀:静磁場強度

で示されるように、外部磁場強度が高いほどに歳差運動の周波数は高くなるのです。

 

また、ある特定の場所の磁場強度は、外部磁場B₀と傾斜磁場の強度の合計によって表されます。合計された磁場が、組織ごとのプロトンに特定の歳差運動周波数をもたらすことになり、空間を記号化することができ、場所の特定が可能になっています。

 

しかし、組織のどこかに強い常磁性体があると、磁場が局所的に増えることになり、この地点の信号の歳差運動周波数が変化してしまうのです。

 

このことは、MRI装置は物質内に常磁性体があることを把握することができません。搭載されている外部磁場と傾斜磁場以外に、局所的な磁場変化をもたらされ物質が存在していることを認識することはできないのです。

 

その結果、MRI装置ではこの磁場変化をもたらされた状況でも、本来の磁場によって起こった変化としてとらえてしまいます。

 

そして、周波数に相当する場所に画像として表示してしまい、その画像は本来の場所とは異なる表示になってしまいます。、画像の変形を起こしてしまうことになるのです。

 

もうひとつ磁化率による局所的な磁場の不均一がもたらす効果(影響)が存在します。

 

それは、磁化率が大きく異なる組織が隣り合って存在する場合の影響です。

 

例えば、同じボクセル内で組織が移り変わる境界にある場合、隣り合ったプロトンがそれぞれ違う磁場強度を感じることになります。その場合、これらのプロトンはすぐに逆位相になってしまう性質をもっていますので、信号はお互いのプロトンが+ーがゼロになり打ち消され、なくなってしまうのです。

 

これは、前頭洞のような空気と組織の境界面などの磁化率に大きな差がある組織間で特に顕著に表れます。組織間の磁化率の違いが信号が低下する原因になっているということです。

 

拡散強調画像のときに空気に接する組織の信号が低下しているのを見たことがある方もいるかもしれませんね。

 

実は、常磁性の影響には、もうひとつ押さえておきたいことがあります。

 

常磁性体の不対電子はいわゆるプロトン—電子相互作用による接近を行い、水のプロトンを相互作用します。その影響でT₂だけでなくT₁も短縮します。このため不対電子が多い物質ほど、大きな影響を与えることがあるのです。

 

では、どのような影響か。

 

T₁強調画像を作成すると、T₁が短縮するとより強い信号が生じます。T₂強調画像を作成すると、T₂短縮の影響により信号が低下します。まさに、ガドリニウム造影剤はこの状態を作り出す薬剤です。

 

ガドリニウムは7つの不対電子を持つので、水プロトンとの多くの相互作用があります。よって、明らかな信号への影響があるのです。

 

同じ影響する物質として挙げられるのがメトヘモグロビンです。メトヘモグロビンは5つの不対電子しかないため、相互作用への影響はやや小さくなります。

 

少し混乱しそうなので、最後に少しだけまとめみましょう。

 

グラディエントエコーシーケンスは磁化率、局所変化、磁場の局所的不均一に対して鋭敏に反応します。

 

それに対して、スピンエコーシーケンスでは局所的不均一の影響は180°RFパルスで中和されるために影響は軽微です。

 

そのため、陳旧性出血において鉄粒子が原因となるような不均一は、グラディエントエコーシーケンスでより高い描出能を示すことが可能になるのです。

らどちゅー

放射線に携わるお仕事をさせてもらっています。 経済情報を読んだり、読書が趣味と、 まぁインドア派の典型です。 そんなんで、毎日助けてもらっています。

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