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放射線検査とそれに関するノートと参考ブログ

造影剤自動注入器とは?

造影剤自動注入器とは?

現在、放射線検査(CT、MRIなど)で造影剤は正確な診断のために欠かせないものとなっています。

 

そんな中で、使われている主要な自動造影剤注入器は注腸検査用、CT用、MRI用、血管造影検査用の4種類です。

 

ただ、CT用と血管造影検査用の自動注入器はほぼ同じなので、今回は3種類についてまとめてみたいと思います。

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自動注入器がなかった時には・・・

その前に、自動注入器がなかったらという苦労を少しだけ・・・。

 

自動で造影剤を注入できる機器があるという最大の利点は、設定した量を設定した一定の速度で高い再現性で行えることです。

 

血管の造影剤自動注入器が開発される以前とは、点滴による注入(ドリップ法)または手で直接注入する(手押し法)のどちらかが行われていました。

 

しかし、この二つの注入法というのは、手押しによる注入を行えば、施行者によって注入速度を同じにしようとしても安定的な速度を持続させることは困難であったり、点滴による注入であれば、造影剤の注入速度が遅すぎるがゆえに造影剤による画像描出能にバラつきや造影効果の低い画像が得られるという欠点がありました。

 

手押しと点滴

 

 

注腸検査の場合では、今でこそバリウムを自動注入器で注入することが一般的ですが、手で注入すると注入したバリウム量だけでなく、注入した空気量を把握し続けて検査をすることは困難であり、検査手技自体も煩雑になるという欠点がありました。

 

つまり、造影剤自動注入器がなかった時代では、検査自体が難しく、得られる画像も良好な結果が得られにくかったといえます。

 

さらに、手で注入するということは、患者さんの側でタイミングを合わせて造影剤を注入するということであり、自ずと造影剤を注入するために施行者への被ばくが避けられないということがありました。

 

では、ここからは現在使用されている造影剤自動注入器についてそれぞれまとめたいと思います。

注腸用造影剤自動注入器

注腸検査は、バリウムと空気によって画像コントラストをつける二重造影法が主流です。

 

そのため、注腸用の自動注入器では、バリウムと空気の両方を注入することが必要であり、その機能が備わっているのが特徴です。

 

注腸の時に患者さんの肛門から挿入するチューブは一本だけですが、そこから自動注入器のほうに目を向けると、3本に分かれており、バリウムを吸い出すチューブ、空気を送り込むためのチューブ、そして検査中や終わった時に注入したバリウムを回収するためのチューブにわかれており、それぞれの操作する場所へとつながっています。

 

自動注入器があることで、検査室内で操作できるだけでなく検査室外から遠隔で操作できるようになり、術者の被ばくを抑えることができます。また、注入したバリウム量と空気量が注入器に表示されるため、どの程度バリウムと空気が注入されているのか一目で管理することが出来ます。

図1
出典:www.kg8971.sakura.ne.jp-www.createmedic.co.jp-

CT・MRI用造影剤自動注入器とは?

CT・MRIで使用されて造影剤自動注入器は、インジェクタと呼ばれていることが一般的ですが、インジェクタとは、圧力をかけて急速で噴射できるような装置と言う意味でもっと広範的に使用されているので、別の専門家の方が聞けば誤解されるかもしれません。

 

それでも、病院でインジェクタと言えば、造影剤自動注入器を指します。

・CT用インジェクタとは?

CT用のインジェクタは1980年に開発され、今まで進歩を続けております。

 

CT用のインジェクタでは、手押しや点滴法で問題になった注入量や速度のバラつきがなくなり、設定された量を設定した速度で注入することが最大の利点です。さらに、手や点滴ではできなかったような急速注入が可能になったことで、検査の幅が広がり、診断性能の向上にも寄与しています。

 

最近では、造影剤に加え、生理食塩水を追加で設置できるデュアルインジェクタが開発され、残留造影剤のアーチファクト軽減や造影剤の有効利用が可能となっています。それだけでなく、造影剤自動注入器とCT装置を同期させることも可能であり、インジェクタの注入を開始すれば、自動的に撮影も開始することができます。

出典:www.innervision.co.jp-
出典:www.innervision.co.jp-

・MRI用インジェクタとは?

MRI用のインジェクタ自体の性能は、CT用とほぼ変わりません。

 

ただ大きく違うのは、MRI室内には機器類を持ち込めないため、MRI用のインジェクタは磁石に吸い寄せられない非磁性体の構造になっています。

なので、その対策として駆動部には超音波モーターが使用されているのが特徴です。造影剤を注入できる速度と圧力はCTより劣ることになりますが、CTほどの急速注入が必要ないため問題になることはありません。

 

MRI装置の側で使用するものは、神経を使うことが多いのです。

出典:www.innervision.co.jp-
出典:www.innervision.co.jp-

・インジェクタの注意とは?

インジェクタは造影剤を一定の速度で注入するのにとても重要な機器でありますが、使用するうえで何といっても怖いのが、血管外への漏出です。

 

インジェクタは自動で設定された量を設定した速度で注入します。この時必ず、急速注入を行うことによる血管内圧力の上昇してしまいます。普段はそれでも途中から圧力の上昇は止まり、血管内に無事に注入されていきます。

 

しかし、圧力が高くなりすぎると、最悪の場合血管外への漏出に繋がるのです。その際、血管外へ漏出してもインジェクタによる注入が止まらない場合もあり、皮膚下に造影剤が注入され続けてしまい、刺入部を腫らすことになってしまうのです。

 

その対策に、インジェクタには圧力モニタがついており、注入時の血管内圧力の上昇を観察することができるため、注入中はモニタに表示される波形の観察が欠かせません。

 

また、インジェクタには、血管内圧力の上限を決めれています。注入時に圧力が上がり過ぎた場合には、血管漏出を防ぐため自動で注入速度を調節するためです。

 

このリミット圧力は任意に設定することができますが、リミットが低すぎるもの考えものです。リミットになると造影剤の注入速度が調節され注入速度が遅くなることから、造影効果が悪くなってしまうのです。結果的に病気の描出能へも影響を与えることがあり、ある程度の臨機応変な対応が必要になるようです。

らどちゅー

放射線に携わるお仕事をさせてもらっています。 経済情報を読んだり、読書が趣味と、 まぁインドア派の典型です。 そんなんで、毎日助けてもらっています。

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