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【放射線治療と手術の併用】4つタイミングとは?

放射線治療は外科的な手術と併用されて、行われます。治療効果を向上させるためです。そして放射線治療を行うタイミングは大きく分けて4つに分類されます。

➀術前照射
➁術中照射
➂術後照射
➃周術期照射

各々、概論的ではありますが、まとめてみたいと思います。

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術前照射とは?

術前照射とは、その名の通り、外科的手術を行う前に行う放射線治療のことです。

 

その目的は、手術前に腫瘍を縮小・限局させて、手術困難な腫瘍でも施行可能もしくは容易にすることです。

 

高エネルギーX線・γ線が使用され、30~40Gyもの線量が照射されます。

 

照射後1~4週を目安に手術を行いますが、腫瘍の状態によっては2~3日とあまり日にちを空けることなく手術を行うこともあるようです。

 

手術時には術前照射野の照射野に含まれる正常組織の急性反応(放射線皮膚炎・粘膜炎・放射線宿酔・骨髄抑制など)が回復した状態であることが望ましいのですが、照射による粘膜炎などが落ち着くには2週間ほど必要です。

 

ですが、残存腫瘍細胞の再増殖や、リンパ節・遠隔転移の進行といったことを考慮すると照射から手術までの間隔は短いほうが良いためタイミングは難しくなるようです。

 

最悪なのは、照射後に長期間おいてしまい、組織の線維化がおこり手術操作が難しくなることが予想された場合であり、そういう意味でも照射から手術までのスムーズさは重要のようです。

 

※適応腫瘍

子宮頸がん、下咽頭がん、喉頭がん、副鼻腔がん、肺がん、膀胱がんなど

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術中照射とは?

術中照射は手術時に行う照射です。詳しくは、前にもまとめたので参照いただければと思います。といっても、簡単にまとめると、手術で標的(腫瘍あるいはがん細胞が残存したと思われる部位)を露出し、放射線を照射する治療法です。

 

照射する位置は、直視下で行うため、ほぼ照射範囲を間違えるリスクはありませんし、照射回数も一度きりです。(線量は20~30Gy程度)

 

ただ、照射には電子線の使用が一般的であり照射筒と呼ばれる筒が必要であること、あまり照射範囲が広くないことが欠点といえます。

 

※適応腫瘍

脳腫瘍、胃がん、膵がん、膀胱がん、前立腺がん、胆道がん、直腸がん

主に、膵がんが最も多い適応となります。それ以外には、骨肉腫に対して高エネルギーX線を照射する場合もあります。

術後照射とは?

術後照射の目的は、主に以下の3つです。

 

➀肉眼的に見えないような小さな(顕微鏡レベルで見える)の遺残微小病巣の制御

➁肉眼的に確認できる遺残病巣の制御

➂郭清していないリンパ節(切除していないリンパ節)への転移を予防するため

 

照射は術後1~2週間(ときには2~3日 または 3~4日)を目安に開始され、高エネルギーX線・γ線を50~60Gy程度を分割して行います。

 

※適応腫瘍

乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、喉頭がん、皮膚がん、網膜芽細胞腫、食道がん

周術期照射とは?

腫瘍の切除後に、術中直視下に腫瘍床に対して線源ガイド用アプリケータを留置し、術後にこのアプリケータを経由して組織内照射を行う方法。