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水腎症の放射線画像とは?

国家試験にも出題されたことのある、水腎症画像。

 

第67回では、超音波画像で出題されましたが、他の検査ではどのように観察されるのかまとめてみたいと思います。

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そもそも水腎症とは?

通常、腎臓で作れらた尿は、腎盂から尿管、膀胱と流れて排泄されます。しかし、その尿の通り道が何らかの原因で閉塞や狭窄を起こすと、尿の流れがせき止められて、尿管から腎盂にかけて尿が溜まって拡張します。

 

この状態が水腎症です。

小児で起こす水腎症の原因は、先天性の狭窄や膀胱から尿が逆流を起こしていることが多いです。水腎症になると、尿路が完全に閉塞している場合には、腎盂・腎杯内圧が急激に上昇し、お腹に持続的な疼痛が起こります。

 

また、尿が腎臓内に溜まることによって感染を起こすと発熱し、疼痛が激しくなることもあるようです。一方で、徐々に尿管拡張が進む場合には、軽い腰部鈍痛か無症状のこともあり、何か別の機会に偶然見つかります。

 

大人になって見られる多く症状は腹痛です。結石などによって腎盂内圧の急激な上昇がみられる場合には、繰り返す強い痛みを感じるそうです。

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その原因となるのは?

水腎症の原因となるのは、

 

・尿管結石

・尿管内血栓

・尿管の内部または周囲に発生した腫瘍による圧排

・尿管または膀胱の筋肉または神経の障害

・尿管瘤

・膀胱、子宮体部、子宮頸部、前立腺、その他の骨盤内臓器に発生した癌

・前立腺の肥大

・先天異常または脊髄や神経の損傷による膀胱の異常収縮

治療には?

閉塞の原因をなくすことです。

 

尿管結石が原因の場合には、砕石術や内視鏡手術などの治療法が必要なこともありますし、前立腺がんが原因の場合には、ホルモン療法や薬物療法になることもあります。

 

水腎症の原因が感染や腎不全、重度の痛みなどがみられる場合には、尿路から尿を排出させる処置を行う必要があります。

急性水腎症の場合は、閉塞部位よりも上流側にたまっている尿を皮膚から腎臓に挿入した腎瘻チューブを使って排出させるか、または膀胱と腎臓をつなぐ尿管ステントを挿入することもあります。ただし、腎瘻チューブまたは尿管ステントは長期間使用すると、感染の原因となるため定期的に交換する必要があります。

どんな画像が見られるの?

水腎症では、腎盂、尿管が拡張して観察されるのが特徴です。実際に、どんな腎臓になって観察されるのか挙げていきたいと思います。

・超音波検査

正常に比べて、腎盂内が黒く拡張している。

・腎尿管膀胱造影検査(IVP)

右腎盂内に造影剤が停滞している。

・CT

腎盂内に水のCT値(尿)が溜まっている。

・MRI(MRU)

右腎盂から尿管内が拡張して観られる。

・アイソトープ検査(ネフログラム)

右腎から放射性医薬品の排泄が見られない。