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放射線検査とそれに関するノートと参考ブログ

どう違う?CTとMRI

どう違う?CTとMRI

病院でレントゲンを撮る仕事をしていると、よく聞かれることがあります。

 

それは・・・

「CTとMRIってなにが違うの?」

「CTとMRIではどっちがいいの?」

 

などです。

 

この質問は、医療施設にいる事務の人や、医療に関係ない親や友達などホントに幅広く聞かれている気がします。聞かれるタイミングは、みなが検診や身体に不調が現れて、いざ病院に行こうと思っているような時みたいですが、こうもよく聞かれる質問とは。。。

 

ただ、よく思えば医療関係者が身近にいない人や、いても看護師やリハビリテーションの方など、レントゲンに関わりの無い方には難しい質問になることでしょう。

 

また、ネットや実際にレントゲン技師に会っていて聞いても理解できなかったこともあるのかもしれません。

 

そこで、今回はこの質問に挑戦したいと思います。

 

ただ、以下の内容は、詳しい原理とかを求めている方には薄い内容になると思います。

 

なぜなら、「CTとMRIの違いとはなにか?」という質問にはイメージできることが大事だと思えるからです。それでも、どう違うのかはできるだけわかるように説明したいとも思います。

 

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装置と画像の見た目

装置の見た目
装置の見た目

 

画像の比較
画像の比較

 

似ていますね。。。

それでも大きな違いがあるのです。

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一般的なCTとMRIの違い

一応、一般的に説明されるCTとMRIの違いついて触れておきたいと思います。

 

CTは、X線を身体の周りにあてられた情報をコンピュータ処理し、輪切りの画像(横断像)を得る検査です。最近では、検査台を動かしながら撮影(ヘリカルスキャン)したり、X線検出器の横幅が広がり、検査時間が大幅に減少しました。一般的に頚部から骨盤部を一度に撮影しても25秒ほどです。この為、救急で運ばれた患者さんの検査やガンの転移検索など、全身を検査する必要がある場合によく用いられています。また、MRIでは肺や骨の検査には向いておらず、肺がんや骨折の評価にはCTのほうが優れています。

しかし、CT検査はX線を使っているため、被ばくをします。また、骨に囲まれている脳や骨盤内にはX線が届きにくいため、評価が難しいこともあり、内臓の検査でも病気によっては正常組織との濃度差(コントラスト)が少なく、造影剤を使わないと評価が困難な場合があります。

 

 

一方、MRIは磁気を利用して、体内の水素原子の量や動き、存在の仕方を画像化する検査です。放射線被ばくがないため、人間ドックや子供の検査など、繰り返す検査に向いています。病気と正常組織との濃度差(コントラスト)がわかりやすく、横断像だけでなく、縦や斜めからと任意の断面を得ることができる利点を持ちます。また、造影剤を使わなくても血流情報を得て血管の撮影を行うことができます。(MRAngiography:MRA)

ただ、一回の検査範囲が狭く(局所検査しかできない)、検査時間も長い、体内に金属を持つ人には検査できないことがあるなど制限が多い検査です。

CTとMRIの得られる画像の違い

と、上の説明だけでは、ちょっと真面目すぎて味気がないので違った視点で考えてみましょう。

 

CTとMRIの違いは画家さんの数です。

 

どういうことか説明しましょう。

 

例えるなら、CTは一人の画家さんが「絵」を描いている装置だとすれば、MRIは複数の画家さんが「絵」を描いている装置なのです。

 

一般的に「絵」とは、人が描くものです。複数の人が一斉に同じものを描くことになってもそれぞれ違う「絵」が描きあがります。モノの捉え方は人それぞれなので、当然と言えば当然です。同じ人物を描くにしても、目や鼻、唇など描く人の個性によって、強調されるパーツが変わることもあれば色使いも変化するでしょう。多彩な色を使って描けば、描かれているモノのことよりわかりやすくなります。また、カラー写真と白黒写真で比べてみても、白黒写真では、実際には違う色の服を着ていても、色の濃さが同じであれば、同じように黒く写ってしまい、後で見ても違う色の服を着ていたのかわかりません。一方、カラー写真であれば、色の違いを一目見てわかります。

 

実はMRI検査も同様のことが言えるのです。

 

MRI検査で得られる画像には、水を強調したものや血管を強調したものなど画像の種類ごとに特徴を持って表現できます。また、カラー写真のように色の違いを見分けやすいのです。この二つの特性を活かして数種類の画像を総合的に判断して、病気の質を判断することができるのです。ただ、色の区別をしやすい反面、下書きをしないで色を塗った絵のように輪郭がはっきりとしないという欠点もあります。

 

一方で、CTは一種類の画像しか得られません。その画像も白黒写真のように色を区別しにくいものです。
そのため、同じような色の濃さのものが二つ存在していても、気づけない可能性があります。ただ、モノの輪郭がはっきりと表現されているので、骨折線など微妙な変化にも気づくことができる利点があります。

 

再度、CT画像とMRI画像の例を以下に示したいと思います。

CT画像はこの色合いの画像のみ。

頭部CT
CT画像例

 

MRIは以下の3種類のように何種類もの画像を一度の検査で得ています。

みな脳のMRI画像ですが、それぞれ白い部位や黒い部位が異なっています。

 

数種類のMRI画像例 実際はもっと多くの種類を撮影する
数種類のMRI画像例
実際はもっと多くの種類を撮影する

 

 

 

CTとMRIの検査時間の違い

ついでに検査時間の違いについても触れたいと思います。

CT検査は救急患者さんの検査に用いられるように、短時間で検査することが出来ます。

 

頭部の検査であれば5分、全身の検査をするにしても10分と言われていますが、時間の多くは、撮影寝台の移動や撮影位置の決定、造影剤の注射にかかる時間がほとんどであり、実際の撮影時間は1~2分程度です。もし、検査中に患者さんが動いてしまっても、画像がブレて観察しにくくなった部位だけを撮影し直すことも簡単です。

 

一方で、MRI検査は一つの種類の画像を撮影するのに数十秒から数分かかり、全体の検査時間は最短でも20分、最長だと1時間近くかかることもあります。
CT検査と違い、MRI検査時間は短縮することができません。

 

何種類もの画像を一度に検査して総合的に判断できると言えば聞こえはいいですが、何種類もの画像を撮影をしなえれば、検査が完結できないともいえます。

 

また、CTは一枚一枚の画像をその都度、撮影するような撮影法ですが、MRIは原理上、一枚ずつ撮影することはできません。もし患者さんが動いてしまった場合には、1種類の画像全て(約20枚)がダメになってしまい、丸々やり直す必要があります。1分かかかる検査であれば1分、5分かかる検査であれば5分、検査時間が増えることになるのです。

そのため、動きやすい子供や自分の意志で止まっていられない赤ちゃんなどには睡眠薬を必ず使う必要がでてきます。
このような理由で、MRI検査は緊急を要する場合の検査に向かないとも言えます。

検査料金の違い

CTとMRI検査では料金はMRIのほうが高いことが一般的です。
ですが、CT装置の性能も診療報酬に含まれることもあって、その違いはあまり大きくないかもしれません。

・CT検査料金
単純CT検査 約20,000円(3割負担の場合 約6,000円)
造影CT検査 約35,000円(3割負担の場合 約10,000円)
冠動脈CT検査 約40,000円(3割負担の場合 約13,000円)

・MRI検査料金

単純MRI検査 約26,000円(3割負担の場合 約7,800円)
造影MRI検査 35,000円~42,000円 (3割負担の場合 10,500円~12,600円)
冠動脈MRI検査 約30,000円(3割負担の場合 約9,000円)

冠動脈検査(心臓の検査)の場合、心電図を併用した特別な検査法になるため、診療報酬の点数がさらに追加され、検査料金が高くなります。

ちなみに、人間ドックなどでMRI検査を受ける場合には約3万円近くかかるそうです。

まとめ

総合すると、CT・MRIどちらにも長所と短所があり、診断に必要な情報を得るためには両方行うこともあります。

CTMRI
撮像原理X線の吸収差磁気の共鳴
被ばくありなし
基本断面横断面任意の断面
検査時間短時間(5~15分)長い(20~40分)
得意な部位肺・腹部・骨脳・脊髄・関節・骨盤腔
長所・広範囲を短時間で撮影できる・救急対応ができる ・検査室への入室に制限がない (金属がダメなど)・骨や肺、出血巣の内部構図が明確 ・閉塞感が少ない・被ばくがない・複数の撮像法で病変の質的な 診断が可能・造影剤を使用せず、血管の画像が得られる
短所・被ばくがある・造影剤を使用しないと病変や血管が 観察しにくいことがある・体内に金属がある場合検査できないことがある・撮影時間が長い・騒音がある・閉塞感がある

 

らどちゅー

放射線に携わるお仕事をさせてもらっています。 経済情報を読んだり、読書が趣味と、 まぁインドア派の典型です。 そんなんで、毎日助けてもらっています。

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