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デジタルX線撮影とは?

フィルムという表現はなくっていませんが、現在では、X線フィルムの代わりに、デジタル技術を使ったX線画像を撮影することがほとんどです。

 

従来のX線撮影では、X線はフィルムに直接画像を作っていました。が、デジタルX線画像では、X線はX線検出器上に「電子画像」を生成します。その後、この「電子画像」のデータはコンピュータに送られて見られることになります。

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いくつかの撮影方法

デジタルX線撮影には、いくつかの撮影方法があります。

それを少しだけ紹介したいと思います。

 

・イメージングプレート

カセッテと呼ばれる平らな箱にイメージングプレートというものが入っています。イメージングプレートにX線が照射されると、イメージングプレートの電気的性質が変化します。

 

X線が照射された後のイメージングプレートは読み取り器に挿入され、照射されたX線の分布や強さが解析されます。

 

この情報は、コンピュータに送られ、さらにモニターに転送されて表示されます。また、この情報はレーザープリンターに送信して、フィルムとして印刷することも可能にしています。

 

このようなX線写真の方式は、コンピューテッドラジオグラフィー(CR:Computed Radiography)と呼ばれています。

・フラットパネル検出器

デジタルラジオグラフィーと呼ばれているものです。フラットパネル検出器は、X線に感光する素子を配列した板のことで、X線を検出することができます。

 

フラットパネル検出器にX線が照射されると電荷に変化が生じます。この電荷の情報がコンピュータに送信されて画像が作成され、モニター状に表示されます。

 

もちろん、フィルム上に印刷することも可能です。CR(コンピューテッドラジオグラフィー)とDR(デジタルラジオグラフィー)の違いは、画像の読み込み方にあります。

 

CRは画像作成時に読み取り器にかける必要がありましたが、DRは読み取り器にかける必要がないことです。

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フィルムと比べたデジタルの利点

以前の、フィルムで撮影すると、X線量が多すぎると画像が黒すぎるという現象になり、逆に、X線が少なすぎると画像が白すぎるという現象が起こります。

 

一方、デジタルX線撮影では、情報を蓄える媒体(イメージングプレートやフラットパネル検出器)では、わずかなX線から多量のX線あであらゆる量のX線を捉えることができます。

 

そのため、デジタルX線画像では黒すぎるや白すぎるといった現象が起こりにくいのです。よって、撮影のし直しということが起こらなくなるのです。

 

この他にも利点は沢山あります。

 

・デジタル画像では、撮影後にコンピュータによって明るさやコントラスト処理することができる。

 

・画像がほぼ即時にモニター表示されるため、以前あった現像のための待ち時間がなくなりました。撮影した時点で、画像が診断に適しているのかどうか判断できる。

 

・1回のX線照射で複数枚のコピーを作成することが可能。

 

・デジタル保存が可能。(フィルム時は保管場所がかさばった)

 

現在では、デジタルX線撮影はほぼすべての領域で採用されています。ただ、マンモグラフィ検査では高い空間分解能が必要であるため、空間分解能が劣るデジタルX線画像への応用が遅れていましたが、改善が進み現在ではマンモグラフィ検査でもデジタル化が進んでいます。