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放射線検査とそれに関するノートと参考ブログ

MRI原理➆-T₂からスピンエコーまで-

MRI原理➆-T₂からスピンエコーまで-

今回は、T₂強調画像がどのようにしてできていくのか?

 

ということを、順を追って説明したいと思います。

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90°パルスと180°パルス

MRIでは90°パルスと180°パルスの話は避けることができません。

 

ということで、また例を出していきたいと思います。

 

いくつかの歳差運動している陽子に90°パルスを使い、縦磁化を傾けて横磁化を発生させます。

 

当然、パルス後には、速い陽子と遅い陽子にわかれ、歳差運動の位相はバラバラになり、横磁化の消失と縦磁化の回復が起こるのですが、MR信号は横磁化が大きいほど強い信号を得ることが出来ます。

 

ということは、90°パルスを出した直後が一番、大きい信号を得ることが出来るわけです。

ただ、時間とともに横磁化は減少し、最終的には、信号はなくなってしまいます。

 

つまり、RFパルスを送ってからなにもしなければ、縦磁化が完全に回復してからもう一度90°パルスを送らない限り、最大の横磁化から信号を得ることができないことになってしまうのです。

 

それでは、一回の信号を得るのに時間がかかってしまい、非効率的です。

 

そこで、180°パルスの登場です!!

 

180°パルスは反転パルスとも言われ、陽子の動きを反対方向に向かせるような効果を発揮します。

 

その結果、速い陽子が、遅い陽子よりも後にあることになります。(進み方が逆になっているからです)

 

その後、さらにある一定時間(TE/2と呼ばれる、この場合、90°パルスを送って回復が始まってから、180°パルスを送るまでの時間と同じ長さ合計でTE時間)待つと、速く歳差運動していた陽子がゆっくり歳差運動していた陽子に追い付きます。

 

その時には、陽子はほとんど位相が揃っていて、大きい横磁化を持つようになり、MR信号は再び強くなっているのです。

 

ただ、揃ったら後には、必ずバラケル方向に向かうので、横磁化はまた現象していきます。

180°パルス

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ウサギとカメのお話

上の話だけでは、わかない場合にはイメージとしてよくウサギとカメの競争の話がされています。

 

同じスタート地点から出発する、ウサギとカメを一斉にスタートさせます。

 

ウサギはカメよりも速く走れるので、ある時間たつと、ウサギがカメに差をつけて前を走っていることでしょう。

 

でも、ここでウサギさんに意地悪をしちゃいましょう。

 

なんと、ゴール地点を元のスタート地点にしてしまうのです。すると、ウサギとカメは両者とも、反対方向に走ることになり、ウサギはカメの後ろを走っていることになります。その状態で、先ほどと同じ時間を両者に走らせると、同時にゴールに到着することになります。

 

ウサギとカメ①

ウサギとカメ➁

ウサギとカメ➂

ウサギとカメ➃

ウサギとカメ➄

180°パルスは、陽子の動きを反転させる効果を持っています。そのために生じる強い信号は、エコー、あるいはスピンエコーとも呼ばれています。

 

そのスピンエコーの信号が生じたあとは、陽子は再び位相の一致がなくなり、速い陽子と遅い陽子でズレが起こっていきます。

T₂強調画像とは?

先ず、90°パルスを送り、その結果、ある大きさの横磁化ができます。

 

90°パルス直後には、横磁化の大きさは最大です。

 

が、時間とともに横磁化は消えていきます。どんな速さで、横磁化が消えていくかは、組織毎に変わり、速いものもあれば遅いものもあります。

000017 (3)

上の曲線は、すべての組織や物質において、90°パルスが切られた直後の0からスタートします。

 

180°パルスを送るまで、TE/2時間待つと横磁化は小さくなっています。

 

その後、さらにTE/2時間待つと(合計でいうと、90°パルスを切られてから、TE時間後)、信号、スピンエコーと呼ばれる信号がでてきます。

 

この信号強度は、T₂曲線の時間TEのところから求めることができるのです。

 

この90°パルスからスピンエコーまでの時間TE(time to echo)はエコー時間とも呼ばれています。

 

そして、時間TEは、画像に現れる信号強度にも影響し、時間TEが短いほど、組織から得られる信号は強くなります。ただ、非常に短いTEを使うと、組織AとBの信号強度の差が非常に小さくなってしまうのです。

 

つまり、二つの組織間にコントラストがつかないため、区別することができないのです。よって、短いTEでは、T₂の違いは組織コントラストにあまり影響しません。

 

逆に、長いTEでは、T₂曲線の差、信号強度の差=コントラストは大きくなります。こういった意味でも非常に長いTE時間を待つことは、画像にも有用な意味を持ちます。高度なT₂強調画像を作るのです。

 

しかし、長い時間を待ちすぎると、全体の信号強度は次第に弱くなり、画像のノイズも増える結果になるので注意が必要です。

スピンエコーシーケンス

スピンエコーシーケンスを使うと、T₂強調画像だけでなく、T₁強調画像、プロトン密度強調画像を作ることができます。

 

そのスピンエコーシーケンスとはどんなものなのか、最後に順番を確認したいと思います。

➀90°パルスの照射

➁TE/2時間待つ

➂180°パルスの照射

➃TE/2時間待つ

➄信号が記録される

といった感じです。

また、このパルスシーケンスは2回以上繰り返される場合には、90°パルスから90°パルスの時間のことをTRと呼びます。

これを、図に表すと、以下のようになります。

スピンエコーシーケンス2

らどちゅー

放射線に携わるお仕事をさせてもらっています。 経済情報を読んだり、読書が趣味と、 まぁインドア派の典型です。 そんなんで、毎日助けてもらっています。

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