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レントゲンの透視画像とは?!

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透視画像とは?

透視画像とは、レントゲン写真の動画のことです。

 

I.I(イメージインテシファイア)やFPD(フラットパネルディテクター)は、X線からの情報収集と画像出力を高速で行うことができるX線検出器です。レントゲン写真を連続で撮影し高速で繋げることで、動画としてみることが出来ます。
(そもそも動画とは、静止画を連続で撮影し、パラパラ漫画のように高速で切り替えることで動いて見えます。)

 

TVやビデオなどすべての動画に言えることですが、1秒間に30枚以上の絵が流れることで、人の目には動画として認識することができるそうです。そのため、透視画像も連続で30枚レントゲンを撮影し、リアルタイムで画面に映し出していることになります。

 

と、言うことは、透視画像とは1秒間に30枚、1分間でいうと1800枚ですから、それだけの被ばくをしていることになります。
普通のレントゲン写真一枚でも嫌な気持ちをする方もいるのに、1分間で1800枚想像を絶するかもしれません。

 

が、そこは大丈夫です!!

 

透視画像はレントゲン写真一枚に比べ、とても少ない放射線量から作られているからです。(被ばくはしている点は同じですが、撮影線量に比べ圧倒的に低いです。)

 

そのため、リアルタイムで見えている透視画像はX線検出器(I.IやFPD)にも強く影響を受けますが、とてもザラザラとしていて、通常のX線画像よりも見にくいものなっています。

 

また、透視画像は、通常のレントゲン写真とは違い、記録として残る機会は少ないです。

 

この理由は、動画は容量が大きく保存しきれないというのと、透視画像は治療や検査といった途中(進行状況や状態の確認)に使われるもので、見直しても画質が悪く記録画像には適さないからです。

 

透視画像を見れる、装置を透視装置と呼びますが、全ての透視装置において、通常のレントゲン写真を撮影することが可能です。
よって、重要な治療の結果や検査の記録を残すときは、通常のレントゲン写真を撮影します。

 

ただ、レントゲン動画を撮ると言う意味では、とても重要なため、消化管の動きを見るために録画することがあります。

臓器の機能を調べるには、とても優れた記録方法になります。

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透視画像の使われ方

透視画像はその利便性により様々な検査に使われています。

 

●消化管造影
食道、胃、小腸、大腸の消化管バリウム検査に使われ、リアルタイムで消化管の動きやバリウムの動きを確認し、病気の発見に寄与しています。

 

●脊髄腔造影
背中から針を指し、脊髄腔内に造影剤を入れる検査です。
神経の近くまで針を刺すため、透視画像で確認しながら検査を進めます。

 

●骨折・脱臼整復術
骨折や脱臼後は骨を元の位置に戻した後に固定し治療します。
位置を戻すときに透視画像が使われます。

 

●骨・関節ストレス撮影
透視画像は動画で見ることができるため、動きを入れた画像を撮影しやすいためです。

 

●内視鏡的胆道水管造影
内視鏡検査や治療の補助に使われています。

 

●泌尿器科系処置や検査
逆行性尿管造影・膀胱造影など、尿道から逆行的に造影剤を注入し検査する場合に、安全に造影剤が入っているか、また、同時に撮影をするために使われています。
腎瘻や尿管カテーテルを挿入や交換する際に管の位置を確認するために使われます。

 

●神経根ブロック
神経近くに針を指し、麻酔薬を入れる処置ですが、針の位置を確認するために使われています。

 

●子宮卵管造影
不妊症の原因検索や治療に使われています。
造影剤の動向を主に見ているようです。

 

●IVR(インターベンショナルラディオロジー)
カテーテルの位置確認や穿刺位置の確認に透視画像が使われています。
同時に撮影も行うことが多いです。

 

●ドレーンの管理
手術後など、体内の余分な水分・血液など体外に抜き取るためドレナージという処置を行います。ドレナージでは、ドレーンという細いチューブを体内に入れ、そこから余分な体液を体外に除去します。このチューブの交換や治療経過を確認に透視画像が使われています。

透視画像による被ばく低減

少ないX線量を使っているとはいえ、被ばくが伴う検査になることは間違いありません。

 

短い時間であれば、放射線による影響が出ることは考えにくいのですが、1時間以上の透視照射を受けると皮膚に赤み(やけどのような)がでるなどの症状がでると言われています。

 

しかし、透視画像が検査や治療にとても有用であるため、患者さんも医師や看護師など従事者が被ばくを抑えられるよう、様々な工夫がされています。

 

簡単なことから言えば、透視画像を最小限に留めるということです。
検査や治療中では、透視画像の観察が必要な時間帯もあれば、準備時や皮膚面を見るときなど必要ない時間帯も存在します。

 

この必要ない時間帯に透視照射をしないことで、被ばくを受ける時間は圧倒的に減ることになります。

 

 

もう一つは、動画の収集方法を変えることです。
以前の透視装置には1秒間に30枚撮影する連続透視と呼ばれる機能しかありませんでした。が、最近の透視装置にはパルス透視という機能が付加されています。

 

パルス透視とは通常1秒間に30枚撮影し動画を作るのではなく、1秒間に15枚や7.5枚など撮影し動画を作る方法です。

 

パルス透視は連続透視に比べ、画像の連続性が欠けること(カクカクとした動画に見える)と画質は少し劣ります(さらにザラついて見える)が、精密な操作が必要でない治療や検査には問題ない画質を出力することが可能です。

 

そして、1秒間に15枚や7.5枚と変えることで、単純計算ですが、最低でも連続収集時と同じ時間を透視画像の収集しても、被ばく線量は1/2,1/4と減らすことができます。

 

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