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尿管結石が痛いのはなぜ?その見つけ方は?

尿管結石はその痛みから、「痛みの王様」と言われるほど、痛みを伴う疾患です。

 

その痛みからつい救急車を呼んでしまうくらい(呼んだほうがいいのですが)痛みがあるのに時間が経つと痛みが治まることがあるため人からは理解されにくいようにも見えます。

 

尿路結石は男性では11人1人、女性では26人に1人にかかる疾患で、その頻度の多さのわりに命に係わることもほぼないため笑いの話題にもなっているように思えます。

 

でも、その痛みはかかった方にしかわからないくらいの思いがあるのでしょう。

 

僕自身、尿管結石になったこともないので、その痛みを理解できず、レントゲン画像に写ったときに、少し笑ってしまったこともあるくらいです。(本当に申し訳ないです。)

 

そこで、調べてみたら思いのほか痛くて当たり前でこの痛みを何回も感じるなんて地獄じゃんと思ったので、みなさんにも知ってもらいたいと思いお話したい。

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そもそも尿路とは?

尿路とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道からなる尿が作られて排泄されるまで経路のことをいいます。つまり、四つの臓器の総称のことです。

 

といっても、どんな形をしているのか言葉だけでは伝える力はないので、図に力を借りたいと思います。

尿路を形成している臓器のひとつひとつを知るのも大事ですが、ここでもう一つ押さえておいていただきたいことがあります。

 

それは、尿菅には3か所の生理的狭窄部位があるということです。
簡単にいうと、臓器の構造上、尿管絶対に狭くなってしまう部位が3か所あるということです。

 

その3つが以下の三つです。

 

➀腎盂・尿管移行部

②総腸骨動脈と交わるところ

➂膀胱への入口部

 

これらは後にちょっと重要になるので、ぜひ覚えていただきたい。

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で、尿管結石とは?

上記の尿路のいずれかに結石(つか、石)が沈着もしくは詰まることを言います。
その分類は結石が出来る場所によって異なり、腎、尿管に結石ができることをを上部尿路結石症と膀胱以下のものを下部尿路結石症と呼びます。 日本では上部尿路結石症が95%以上です。

 

結石が小さいときには自覚症状がないこともありますが、症状が出ると同じ体制で寝ているのすら辛くなるほどの激痛が起こり、石が移動するときに尿路を傷つけることで血尿が出ることもあります。

 

痛みは腰・側腹部・下腹部に起こることが代表的です。

ちなみに・・一言で尿路結石といってもその成分は様々です。
その代表的なものが以下の4つになります。

  • 尿酸結石
  • シスチン結石
  • リン酸結石
  • シュウ酸結石

なぜ痛いのか?

血管にも石灰化があるように石が出来る場所は多くあるのに、尿路結石はなぜこんなに痛いのか気になるところです。

 

なぜ痛くなるのか?

 

それは、結石が尿路のいずれかに詰まっているのに、腎臓からは尿が作られても膀胱まで流れていかない。結果、腎臓から結石までの内圧が上昇したことによるものだろうです。(そのため、腎盂が拡張する水腎症になっていることもあるようです。)

 

内圧が上がるだけで、痛みがでるなんて想像がつかないかもしれませんが、腸にガスが溜まったり、便が溜まるとお腹が痛いくなるのも内圧の上昇が原因だと思うと少し納得がいきませんか。

 

尿路結石による痛みはこれらの痛みよりも激しいと言われるくらいですが、尿路結石は傷をつけながら尿路を移動するのですから、別の痛みを感じることもあるのかもしれないと思うと結構えげつない病気です。

 

結石が詰まることによって、痛みを発するのであれば、詰まりやすいところを通過しようとするたびに痛みを感じる可能性が高いことになります。

 

ということは、元々狭いとされる尿管の生理的狭窄部では詰まりやすく、内圧が上昇し、痛みが起こりやすいことになります。

 

で、上でも触れましたが、生理的狭窄部は3か所あるってことは・・・
一個の結石が出来れば、最低3回は激しい痛みに襲われるかもしれないということです。

 

激痛を一回だけならまだしも、3回って・・・地獄です!!
命にかかわることはないとはいえ、痛いのが嫌いなぼくは絶対になりたくないです。

 

どうやって見つけるのか?

このブログは、一応、放射線検査について述べることを目的にしているので、画像検査に置いて尿路結石をどうやって見つけるのかも触れておきたいと思います。

 

救急車で運ばれるとまず行うのは検尿と超音波検査、単純レントゲン撮影です。しかし、尿路結石が出来る場所やその成分によっては超音波検査では発見できないし、レントゲンでも写らないことがあります。

 

そこで、最近はCT検査がとても有効です。CT検査では、数mm程度の石でも画像上で白く光って見えるため、診断が容易です。

 

CT検査が発達する以前は、レントゲンで見つけようとすれば、経静脈的腎盂尿管造影で診断を付けることが一般的でしたが、造影剤の流れによっては発見も難しく、造影剤の副作用も考えられるためCT検査よりリスクが高い検査といえます。

 

ただ、CT検査による発見率はレントゲンや超音波検査よりも高いのですが、被ばくが多いことが欠点といえるでしょう。

治療法

小さくても痛みを伴う尿路結石ですが、5mm以下の結石に対しては、鎮痛剤を処方され、自然に排出されるのを待つ以外はありません。

 

ということは、その場合は当分はその痛みと付き合うことによります。

排出するためには水分を多くを摂取して、流し出すことが一番の治療になります。

 

対して、10mm以上の結石の場合には、以下の2つの治療法が代表的です。

 

・体外衝撃結石破砕術法(ESWL:Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy)
最も負担の少ない治療の1つで、体外装置によって作られた衝撃波を結石に向けて集中して発して、結石を砕く方法です。砕かれた結石は砂状になり、尿と一緒に排出されます。
ただ、石を砕いてもたまに少し塊が残ってしまうように、全部が一度に砂状になることはなく、尿を排出をするときに痛みを伴うことがあります。

 

・経尿道的尿管砕石術(TUL:Transurethral Ureterolithotripsy)
ESWLが困難な場所に結石ができた場合に行われる処置です。
脊椎麻酔・全身麻酔下で尿道口から結石の直下までワイヤーを留置し、そのワイヤに沿って尿管鏡(内視鏡)を挿入します。
尿管鏡で確認しながら、鉗子・衝撃波・レーザーで破砕する方法です。
破砕後はESWL同様、尿と一緒に排出することになります。

予防法

最後に尿路結石の予防法に触れておきたいと思います。

 

・塩分を過剰に摂取しない
食塩は多量に摂取すると、尿中のカルシウム量が増加し結石を作りやすくします。

 

・動物性蛋白質を過剰に摂取しない
尿中の尿酸とシュウ酸の排出量が増加し、結石を作ります。

 

・ビタミンCを過剰に摂取しない
ビタミンCは体内で代謝されると、シュウ酸が作られ、結石成分のシュウ酸カルシウムの部品をつくりあげていることになります。

 

・就寝直前に食事しない
食事後2~3時間でカルシウムとシュウ酸が尿中に排出されます。また、就寝中は尿量が減少して濃縮された尿がでます、夜に食事をとると、尿中へのカルシウムとシュウ酸の排出と濃縮される尿が生成される時間帯が重なるため、結石ができやすいようです。

 

・1日2リットル以上の尿がでるくらいの水分を摂取する
読んで字のごとく、沢山の水分を摂ることが一番の予防といえます。