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放射線と放射能の違いとは?

今では、ネットなどで情報が普及され、独学でも正しい知識を持っている方も多いのでそんなことはないのかもしれませんが、

 

「放射線」と「放射能」の二つの単語を同じ意味のように捉え使用していた方も多いのではないでしょうか。

 

TVのニュースなどでも正しく使い分けがされていないこともあったので混同されてもしょうがないようにも思えます。

 

ただ、正確には二つは別の意味の言葉なので、今回はこの違いについてまとめてみたいと思います。

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「放射線」と「放射能」の違いとついでに「放射性物質」とは

さっそくではありますが、「放射線」、「放射能」、「放射性物質」を懐中電灯に例えて考えてみることにします。

 

懐中電灯はスイッチを入れると、光を放ち夜でも明かりで照らすことができます。その距離は、懐中電灯の性能に影響され、遠くまで照らすことができるものもあれば、近くまでしか光が届かないものもあります。

 

こんな話は一般的で、みな当たり前だと思うかもしれませんが、ここから放射線と関連させていきます。

 

「放射性物質」、「放射線」、「放射能」の3つの言葉を懐中電灯で例えると、以下のようになります。

 

懐中電灯そのもの➡「放射性物質」

懐中電灯から出る光➡「放射線」

光を出す働き(能力)➡「放射能」

 

つまり、放射性物質は光を出す力を持っている懐中電灯のように放射線を出す力を持っている物質ということになり、放射線を出す物質から出てきたもの(懐中電灯から出てくる光のように)が放射線です。

 

そして、その光の強さを表す(放射線の強さを表すのが)放射能という言葉になるのです。

 

では、具体的にどのようなものが放射性物質と呼ばれるのか。

 

大きく自然物と人工物の2種類に分けることができます。

 

自然に存在するのには、ウラン(U)やラドン(Rn)、ヨウ素(I)やセシウム(Cs)など放射性同位元素と呼ばれるものが挙げられます。

 

一方、人工的の代表的なものには、レントゲン撮影に使用される、X線管球が放射線源とも言われますが、該当することになります。

 

そして、放射性物質から放出されるα線、β線、ガンマ線、そしてレントゲン撮影に使用されるX線などこれらの総称が「放射線」と呼ばれることになります。

 

でも、ここで一つギモンになることがあります。

 

放射性物質はその種類によって、異なる種類の放射線を出すことになりますが、ここまでの話だとどの程度の量がどのくらいの頻度で放出されているのか、わかりません。

 

それを表すのが、放射能ということになります。

 

懐中電灯の光の強さが大きければ、それだけ遠くまで光を届けることが可能ですが、弱い光の場合は近くしか照らすことができません。

 

その光の強さを表すときにカンデラという単位が使用されるのと同様に、放射線を1秒間にどのくらい放出することができるのか、放出された放射線はどの程度の強度を持っていて、どれだけ遠くまで届くのかを放射能(ベクレル)が表すことになります。

 

 

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放射線と放射能の単位

放射能を表す単位にはベクレルがあると上でいいましたが、その他にも用途によって使い分けされる単位があるので、まとめてみたいと思います。

 

その主なものが、㏃(ベクレル)、Gy(グレイ)、Sv(シーベルト)の3つです。

 

TVや新聞など放射線被ばくを考える上で、よくGy(グレイ)やSv(シーベルト)など単位がついていますが、報道されるたびにまちまちだと思ったことはないでしょうか?

 

なんとなく、数字が大きいほど被ばく線量が多くなるのは直観的に理解できそうですが、グレイとシーベルトでは何が違うのでしょか?

 

ざっとではありますが、下にまとめてみました。

 

・Bq(ベクレル)・・・放射能量

ある放射性物質がどのくらい放射線を出す能力があるかを示した単位のことです。放射能量が多いほど物質は多くの放射線を出します。 ただ、ベクレルはあくまで、放射性物質がどのくらい放射線を出しているかの指標なので、人の体に対する影響はわかりません。 原発から漏れ出ている放射能量や病院での核医学検査時に投与する薬からでる放射能量を示すときに使われています。   

 

・Gy(グレイ)・・・吸収線量

ある部位(臓器)または全身の受ける線量を表す単位。 別の言い方をすると、放射性物質から、対象となる人まで届いた放射線の量のことです。 あくまで届いた量なので、身体への影響は考慮されていません。主に、物理的な線量としてあらゆる用途に用いることができます。そして、TVや新聞の報道ではこの単位が良く使われています。(人体への影響は年齢や部位によって異なるためです。)

 

・Sv(シーベルト)・・・実効線量

人体に対する放射線の影響を評価するときに使います。 人の臓器には、放射線によって影響を受けやすいところと受けにくいところがあります。そのことを加味して、放射線が人間に照射されたときにどのような影響があるのかを数値化した単位です。被ばくしたときに人の体にどのような影響でるのか、一番考慮されています。