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MRI装置の磁石の種類とは?

MRI装置の中で、最も重要な部分と言えば、何といっても本体に搭載される磁石です。しかも、MR画像を撮影できるとなると、かなり強力な磁石が必要になります。

 

ちなみに、磁石の磁場強度は、テスラ(T)やガウス(G)で表されています。

 

その関係性は、1T=10,000ガウスといったところになります。

 

実際の、診療で使われている磁石は、0.5~3T(テスラ)程度の磁場強度が普及しており、磁場の強さだけではなく、その磁場の均一性も重要な要素となっています。

 

では、どんな磁石が使われているのか紹介したいと思います。

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永久磁石

この磁石は、常に磁場を持っており、外部から磁場や電流を与える必要がないものです。そして、磁石としての性質を長期にわたって保持し続けることができのが大きな利点です。

 

欠点があるとすれば、熱(室温など)に対する不安定さ、磁場強度の限界が低い(他の磁石に比べて磁場が低い)、そして、とてつもなく重いということです。ですが、今でもオープン型、つまり圧迫感の少ないMRI装置に使われています。

 

MRI画像を撮影しながら、治療を行うのに用いられているようです。

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常伝導磁石

常伝導磁石では、電流が輪になった電線の中を通り、磁場を作りだしています。

 

そのため、常伝導磁石は電磁石とも呼ばれています。

 

この磁石では、電流が流れているときだけ磁場ができるので、必然的に大量の電気エネルギーを使うことになります。

 

さらに、電線を通る電気の流れに対する抵抗があるため、磁石が作動しているときに温まってしまうので、冷却しながら使用する必要があります。

 

永久磁石に比べ、より強い磁場強度を作りだすことができますが、強い磁場を作りだすほど多量の熱を生じるため、実用性は低く、搭載されているMRI装置はほぼありせん。

超電導磁石

現在のMRI装置で最も多く使われている磁石です。

 

常伝導磁石と同様、この磁石も電気を使いますが、電流を伝える特別な導線を持っているのが特徴です。

 

どんな導線かというと・・・

 

超電導温度(約4°Kあるいは-269℃)にまで、常時冷やして使うのです。

 

なぜ、こんなに冷やして使う必要があるのか疑問になるかもしれませんが、それには大きな利点があります。

 

それは、この温度では電流を流す際に、導線の電気抵抗がゼロになることです。

 

電気抵抗がない状態で、一度電流を流すと、電流は永久にそこで流れ続けることができます。

 

結果的に、永久的に一定の磁場を作り上げることが可能になるのです。

 

ただ、この状態を保つために注意も必要です。

 

この磁石は、導線を冷やし続ける必要があるため、定期的に液体ヘリウムを補充しなければなりません。

 

もし、何らかの理由で、超電導温度よりも高くなってしまい、超電導性が失われ、突然電気の流れに対する抵抗ができてしまうと、中の液体窒素が沸騰、蒸発してしまい、ものすごい量の白い煙と部屋が酸欠状態になってしまいます。

 

それでも、超電導磁石は現在、最も使われている理由には、他の磁石よりも高磁場が得られること、優れた磁場の均一性が得られるためです。

 

それによって、得られる画像は、年々進化しています。

 

一つ欠点を上げるのであれば、維持コストが高いということでしょう。

磁石の利点と欠点まとめ

以上のことを、表にまとめてみました。

正直なところ、これだけ覚えておけばなんとかなるかも・・・。。。

  利点 欠点
永久磁石 ・値段が安い
・ランニングコストも低い
・漏えい磁場が少ない
・磁場強度が弱い(<0.5T)
・非常に重い
・移動式にならない
常伝導磁石 ・値段が安い
・コイルの保守が容易
・軽い
・磁場の停止が可能
・電力消費が大きい
・冷却が必要
・漏えい磁場が大きい
超電導磁石 ・高磁場が実現できる
・磁場の均一性が高い
・電力消費が少ない
・S/N比が高い
・撮像時間が短い
・値段が高い
・維持費(ヘリウム)が高い
・モーションアーチファクトの影響を受けやすい
・音が大きい