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放射線検査とそれに関するノートと参考ブログ

MRI原理➃ーT1とT2の長さー

MRI原理➃ーT1とT2の長さー

T₁とT₂の緩和時間とは、組織や磁場、周囲環境によって長さが異なります。が、基本的には、T₁のほうがT₂よりも長いということは覚えとく必要があります。

 

それは、大体2,5,10倍くらいで、実際の値でいうと、T₁は約300~2000msec、T₂は約30~150msecだそうです。

 

では、T₁とT₂は具体的にどんなことに影響されるのでしょうか?

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T₁に影響を与えるものとは?

T₁は本当に様々なものに影響されています。それは、組織の組成や構造といった、人の臓器にそれぞれが異なるT₁値を持っていること。さらに、周囲の様々な環境によっても変化しているのです。

 

つまり、例え同じ臓器を撮影しようとしても、装置の磁場環境(1.5Tや3Tなど)が異なれば、T₁の異なることになります。

 

このことについて、もっと詳しくみてみしょう。

 

少しだけ復習すると、T₁緩和とは、陽子から格子と呼ばれる周囲環境に渡される、熱エネルギーの交換と何らかの関係があります。歳差運動している陽子は、クルクルと一定の周期(ラーモア周波数)で周り、波動する磁場をもっています。

 

そして、格子もまた、その固有の磁場を持っています。

 

RFパルスからエネルギーを受けとった陽子は、緩和するために格子にエネルギーを渡そうとします。(元の状態に戻ろうとしているのです)

 

このエネルギー譲渡は、格子の磁場の波動の周波数と陽子のラーモア周波数に近い値のときに行われます。走っている人に水を渡そうとするには、その人と同じ速さでないと渡しにくいのと同じようなものです。

 

ただ、格子(周囲の環境)が純粋な液体や水でできている場合、小さな水分子は非常に速く動いているため、陽子はそのスピードに追い付けず、なかなかエネルギーを渡すことができません。

 

なので、給水ポイントを作り、決まった周期でゆっくりとエネルギーを渡すことになります。

 

エネルギーをゆっくりと渡すことで、陽子は元の低いエネルギー状態に戻ることで、横から縦の磁場方向を回復させていくことになります。(T₁緩和)

 

このように、、縦磁化が再び現れるには、時間がかかります。それは液体や水といった速く動く組織が周囲にあるほど、顕著であり、液体や水は他の組織に比べて、長いT₁値を持っているということを意味していることになるのです。

 

逆に、格子(周囲環境)が陽子のラーモア周波数に近い速さで動く組織で構成されている場合には、エネルギーの以降が速やかに行われ、T₁値は短くなるのです。

 

実際の例でいえば、水は長く、脂肪は短いです。

 

脂肪のT₁が短いのは、脂肪酸の末端の炭素結合がラーモア周波数に近い周波数を持つため、効率的にエネルギー交換が行えるためです。

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磁場が強いほど、T₁が長くなるのは?

強い磁場の中ほど、T₁は長くなる!!これは、事実で、覚えておく必要があります。

 

では、それはなぜでしょうか?

 

歳差運動の周波数は、ラーモア方程式で示されるように、磁場強度に依存しています。磁場強度が強ければ、それだけ速く陽子は歳差運動をすることになるのです。

 

ただ、歳差運動が早いと、もっとゆっくりと波動している磁場をもう格子にエネルギーを渡すのに、より多くの問題がでてくるのです。

 

磁場強度が強くなるほど、陽子とゆっくり動く格子の速度差が大きくなるので、結局、エネルギーを渡しにくくなってしまうのです。

T₂に影響を与えるものとは?

T₂緩和は、RFパルスを受け、位相が揃っていた(同調して動いていた)陽子の位相がずれていくときに起こります。

 

その原因は、外部磁場の不均一と組織間の局所磁場の不均一の2つです。

 

水の分子は非常に速くすごき回ります。

 

そのため、局所磁場も速く波動し、お互いの動きに平均化がおこり、場所によっての大きな正味の内部磁場の違いが起こりません。

 

そして、もしも組織の内部磁場強度に大きな差がなければ、陽子は長時間、歩調をそろえたままになり、T₂は長くなります。大きな分子を含んでいるような純粋でない液体は、局所磁場に大きな差が起こります。

 

大きな分子は、あまり速く動き回らないので、その局所磁場もお互いにあまり打消し合いません。

 

このような局所磁場の大きな違いは、結果として、歳差運動の周波数に大きな差を起こし、陽子は協調性をなくしやすく、早めに位相がずれることになり、T₂が短くなります。

 

これは、くぼみの多い道を車で走っているときに似ています。

 

くぼみの多い道をゆっくり走っているときには、一つ一つのくぼみの上を走るたびに上下にジャンプすることになります。

 

が、とても速く走っているときには、一つ一つのくぼみに感じることなく走ることができます。くぼみの影響を受ける前に、普通の道に戻ってしまうためです。

 

このように、窪みの影響は平均化され、周囲の変化(磁場強度の違い)に影響されることがあまりないことになります。

らどちゅー

放射線に携わるお仕事をさせてもらっています。 経済情報を読んだり、読書が趣味と、 まぁインドア派の典型です。 そんなんで、毎日助けてもらっています。

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